「メドベージェフは“マスターチェスプレーヤー”」全豪9度目の優勝を狙うジョコビッチ [オーストラリアン・オープン]
「9度目の決勝、決勝で負けたことないという事実で自信が大きくなるのは確かでコート上で心地よくなる。だが、毎年違う大会だ。相手も変わるし、今年は特にサーフェスも変わっている。だから、ここでの決勝8連勝という記録は今回の決勝とは関係ない」
この大会との相性のよさ、強さの要因を明かした。
「何度も答えてきたが、いくつかの要素がこの大会での成功に繋がっている。僕はいつもシーズンの最初は他のどの選手より、最高のスタートを切りたいと思っており、フレッシュでモチベーションも高い。誰にも負けたくない。サーフェス、特にナイトマッチは自分のプレースタイルに合っている。毎年勝つことで、この感覚のよさをより強く感じられるんだ」
今大会の勝ち上がりを振り返ると、ケガに苦しみながらも強敵を次々に倒してきた。
「過去8度はこんなケガをしたことがなかった。3回戦で痛めてからこの5日間の経験はいままでになかったもの。対戦相手もきつかった、テイラー・フリッツ(アメリカ)、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、フランシス・ティアフォー(アメリカ)を相手には自分のベスト出さないといけなかった。特にアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の試合では消耗した。でも乗り越えられたことに興奮した。物事はよくなっていくフィーリングがあった。準決勝は最高に感じがよかった」
準決勝では完全に痛みが消えていたという。
「準決勝で自分の体の状態に驚いている。こういう風に感じたかった。素早く回復することができた。回復が早いという能力はありがたい。ケガについて詳しいことはまだ教えられない。大会が終わってから話すよ」
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が大坂なおみ(日清食品)に敗れた直後の記者会見を途中で打ち切ったことを問われ、同情する気持ちがあるようだ。
「彼女はテニスの歴史に残る大きな記録を追っている。豊富な経験にもかかわらず、大きなものを肩の上に感じているはずだ。セレナの気持ちは少し分かる。彼女の年齢(39歳)で今やっていることが凄い。記者会見では残念な気持ちで、感情的になったのは聞いた。ビッグマッチを落とすとイライラするし、態度がちょっと悪くなるのは分かる。でも、スポーツ史上の中でも指折りのアスリート。彼女と同じ時代にプレーできることを誇りに思っている」
決勝で対戦するメドベージェフがこの数ヵ月で見せた大きな成長に驚きつつも、警戒している。
「メドベージェフはマッチ20連勝中で、昨シーズンの終わりは私を含めトップ選手をストレートで次々に倒す最高の形で締めくくった。強くなった。長身でビッグサーブがあり、フォアハンドは少し弱かったが強くなった。バックハンドは元々いい。今は攻めて、ネットに出ることを恐れていない。それでいて安定している。ジム・クーリエ(アメリカ)が彼のことを“マスターチェスプレーヤー”と表現したが、その通りだ。計算されたポジショニングが素晴らしく、頭脳的で戦術的だ」
ジョコビッチ対メドベージェフの決勝戦は、日本時間2月21日(日)17時30分開始予定となっている。(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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