辛い時期を過ごしたことをフェデラーが告白「僕は落ち込んでいた」

写真は2020年オーストラリアン・オープンでのロジャー・フェデラー(スイス)(Getty Images)

1年以上もツアーから離れている間にロジャー・フェデラー(スイス)が真剣に引退について考えたことは一度もなかったが、痛めた右膝に2度目の手術を受ける必要性に迫られた際に辛い時間を過ごしたことを打ち明けた。

 カタール・オープンでの復帰前の日曜日に行われた記者会見で、「僕は落ち込んでいたよ。2度目の手術を受けなければならないなんて信じられなかったんだ。これは間違いなく、少しばかり余計に自問する瞬間だよ」とフェデラーは語った。

 来たる水曜日に39歳のフェデラーは、2020年オーストラリアン・オープン以来となる試合でダニエル・エバンズ(イギリス)とジェレミー・シャルディ(フランス)の勝者と対戦する。

 フェデラーが受けた右膝へ最初の手術は、2020年2月に行われた。その膝はバイクを漕いだり4人の子供たちと一緒に歩いたりしたあとも腫れ続け、彼は6月に2度目の手術を受けたと発表した。

 20度グランドスラム大会を制したフェデラーは、このカムバックが今後数ヵ月の間にどのように進行していくかを監視し、それから状況を分析しようとしている。

「もう直ぐ40歳になろうとしている人間が、ほとんど1年活動を停止していたあとに復帰するというのがかなり稀なことだということは分かっている。僕自身がそれにどれほどの時間がかかったかに驚いたからね。でも僕は自分のチームと相談し、かなり早い段階で焦ることなくしっかり必要な時間をとってツアーに戻っていくということを決めていたんだ」と彼は明かした。

「重要なのはケガや痛みがなく、実際にツアーでプレーして自分自身が楽しめるかどうかということなんだ。そんな訳で、どんなふうになるか見てみよう。僕自身もそれを見極めたくて興味津々なんだ」

 日曜日の記者会見ではっきりしたように思われたのは、現時点でフェデラーにとってもっとも重要なのはウインブルドンであるということだった。彼はオールイングランド・クラブで男子の最多記録である8度の優勝を遂げ、2019年決勝では第5セットのタイブレークで結果的にノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れはしたが2本のマッチポイントを握り、9勝目まであと一歩というところまで迫っていた。

 昨年のウインブルドンは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため、2度の世界大戦以外では初の中止に追い込まれた。今年のウインブルドンは、6月28日から7月11に渡って行われる予定になっている。

 今月の終わりのマイアミ・オープン出場を取り消していたフェデラーは、「ここのあとにふたたびトレーニングに戻る必要があるのは分かっている」と話した。

「従ってこの観点から言えば僕はまだ肉体的によりフィットする必要があり、より強くよりよくより速くという具合にすべての面で自分を構築していく段階なんだ。できればウインブルドンまでに100%になることを願っており、そこから本当のシーズンが始まると考えているよ。だからそこまでのすべてのプロセスは、単に『どうなるか見てみよう』という感じのものなんだ」

 パンデミックの中でのツアー生活がどうなるのか、そして何よりも自分の手術した膝が競技に耐えられるのかについてフェデラーは関心を示している。

「バブルライフ、検疫、常にマスクを着用してる状況もあるけど…自分の膝が持ち堪えることができるのかということが僕が懸念している唯一のことだよ。現時点では何とも言えないからね。僕はできる限りのことはしてきたつもりだよ」とフェデラーはコメントした。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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