ナダルがチチパスに競り勝ち3年ぶり12回目の優勝「もっとも厳しかった決勝」 [バルセロナ・オープン]

写真は自身の記録を更新する12回目の優勝を果たしたラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/スペイン・バルセロナ/4月19~25日/賞金総額170万2800ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)がいくつかのマッチポイントを逃し、それから相手が得たマッチポイントを1本凌いだ末に第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に6-4 6-7(6) 7-5で競り勝った。

 まだベストの調子には程遠いと自覚しながら、ナダルは努力を続けている。幾つものチャンスを掴み損ねた失望を克服したナダルは、勢いのある新進気鋭の相手に対する敗北の危機を回避した。

 3度目のマッチポイントをものにしたナダルは苦労した分だけ満足感の大きな勝利を飾り、同大会で自身の記録を更新する12回目の優勝(2005年~09年、11年~13年、16年~18年、21年)を遂げた。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために昨年の大部分でプレーしなかったあとに迎えた今シーズン、世界ランク3位のナダルはここまでやや精彩を欠いていた。

「大事なのは毎日の積み重ねだ。チャレンジを受け入れるということ、ときにはあまりいいプレーができないこともあるという事実を受け入れる謙虚さを持つことなんだ。そしてそのために戦う必要があり、毎日解決策を見つけようと努力しなければいけないんだよ。それが僕のやってきたことさ」とナダルはコメントした。

 決勝の序盤で劣勢に立たされていたナダルは、そこから4ゲームを連取して第1セットを取った。ナダルは第2セットでもスローなスタートを切り、またしても後半にブレークする必要があった。彼は5-4から2本のマッチポイントを握ったがものにできず、次のゲームでは3つのブレークポイントをセーブしなければばらなかった。

 チチパスはタイブレークで3つ目のセットポイントをものにして勝負を第3セットに持ち込んだが、今度は自分が5-4で手にしたマッチポイントを掴み損ねた。そのピンチを切り抜けてキープしたナダルは、続く2ゲームを連取してタイトルをもぎ取った。

 3時間38分を要したその試合は、統計がとられるようになった1991年以降でATPツアー決勝での最長マッチとなった。それはまた、今年ここまでのATP大会でもっとも長い3セットマッチでもあった。

 この試合をバルセロナでプレーした中で「恐らくもっとも厳しかった決勝」と呼んだナダルは、「僕はこの大会でこのような決勝をプレーしたことは一度もなかった。僕にとっては大きな意味を持つことで、重要な勝利だったよ」と語った。

 今大会でのナダルは、最初の2試合でもフルセットマッチを強いられていた。彼は前週のモンテカルロでアンドレイ・ルブレフ(ロシア)にフルセットで敗れてベスト8に終わったばかりのところで、チチパスは同大会決勝でそのルブレフに勝ってマスターズ初制覇を果たしていた。

 1セットも落とさず決勝まで勝ち上がってきたチチパスは、オーストラリアン・オープン準々決勝でナダルを倒していた。2週連続優勝をあと一歩のところで逃したチチパスは、今季の男子ツアーで最多に並んでいるルブレフを追い越すマッチ27勝目を目指していた。

 バルセロナ決勝での戦績を12勝0敗とした34歳のナダルは、3年ぶりに王座を奪還した。前回プレーした2019年は、準決勝で最終的にチャンピオンとなったドミニク・ティーム(オーストリア)に敗れていた。

 これに先立ちダブルス決勝も行われ、第1シードのフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(ともにコロンビア)がノーシードから勝ち上がってきたケビン・クラウィーツ(ドイツ)/オリア・テカウ(ルーマニア)を6-4 6-2で下して今季2勝目を挙げた。


男子ダブルス優勝のフアン セバスチャン・カバル(コロンビア/右)とロベルト・ファラ(コロンビア)(Getty Images)

 昨年の大会はパンデミックにより、開催中止となっていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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