ナダルがマドリッドでの敗戦でフレンチ・オープンを前に一歩後退

写真はマドリッド・オープン準々決勝敗退後にコートをあとにするラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

フレンチ・オープンの準備を進めてきたラファエル・ナダル(スペイン)の順調な歩みは、突如としてスピードバンプ(道路の減速帯)に乗り上げた。

 マドリッド・オープン準々決勝でのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に対するナダルの敗北は、『キング・オブ・クレー』が自分のテニスに手応えを感じていると話した週に起きた予想外の挫折だった。

「僕にとって重要な週だったから、(今この瞬間は)ネガティブな感覚だ」とナダルは敗戦後に語った。

「順調に調子を上げていたが、ときには階段を登っていて一歩後退することもあるものだよ。それが今日起きたことだった」

 カルロス・アルカラス(スペイン)やアレクセイ・ポプリン(オーストラリア)といった若き挑戦者たちを問題にせず退けたあと、ナダルは世界ランク6位のズベレフに4-6 4-6で敗れた。

「トレーニングでも試合でも、僕は週を通してうまくこなしていたんだ。今日もそうだったんだけど、重要な局面や決定的な瞬間に僕は間違ったことをしてしまった」

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに引き起こされた長い休止期間を経て、ナダルはゆっくりとベストの調子を取り戻そうとしてきた。彼にしてはやや低調なクレーコートシーズンのスタートを切ったナダルはモンテカルロの準々決勝でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に敗れたあと、バルセロナで今季初タイトルを獲得したが大会を通して多くのセットを落とした。2月のオーストラリアン・オープンでの彼は、準々決勝で敗れていた。

 彼は次週にイタリア国際で10度目の優勝に挑み、14回目のフレンチ・オープン制覇に向けての準備を終えることになる。

 金曜日の彼はある時間帯ではズベレフよりいいプレーをしていたが、チャンスを活用できなかったと感じたためにイライラしてしまったと明かした。彼は納得のいかないミスを犯し過ぎたために、準々決勝を取りこぼしてしまったと感じていた。

「コンディションが僕に有利だった(モンテカルロでの)ルブレフに対する敗戦とは違っていた。ここでは自分が状況をコントロールできていないという感覚があったから、負けたときに事態が実際よりも悪いと感じてしまうんだよ」

 ナダルはこの大会を5回制したにも関わらず、標高が高いことで引き起こされるスペインの首都マドリッドのスピードが出るコンディションを苦手としている。それでもナダルは前を向き、明るい一面に目を向けた。

「多くのポジティブなこともあった1週間だったよ。僕はトレーニングで多くのことを上手くこなしたからね。大まかに言えば僕はいい感覚でマドリッドをあとにするが、今日のような試合をしてしまったという悪い感覚のあるということだよ」と彼は大会を総括した。(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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