「何度転んでも勝てればいい」2回戦を突破したジョコビッチ [ウインブルドン]
2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス2回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-3 6-3 6-3下した。
5年前と同様に全豪、全仏で優勝してウインブルドンを迎えた。
「2016年に最初の2つのグランドスラムを獲ってからウインブルドンに来たとき、調子がよかったのに3回戦で負けた。相手のサム・クエリ―(アメリカ)が素晴らしかったのは言うまでもない。今回は、そのときとは違う。モティベーションが高まるという表現は使いたくない。ウインブルドンは自分を含め、誰にとっても夢の舞台だからね。でも、5年前とは少しだけ違う。当時は、この状況が初めてのことだった。今回はおそらくもっと賢くなっているので、当時の経験を生かしたい。ふたたび3回戦まできたが、まだ先は長い。できるだけ先まで勝ち進みたい」
サーフェスの状態はまったく気にしていない。
「1試合目、2試合目でも転倒した。想定よりも多かったが、コートのせいではないと思う。数日雨が降ったし、屋根の下で最初の試合だったため湿気があり、通常より芝が滑りやすかったのかもしれない。それに、自分も2年間グラスコートでプレーしていなかった影響もあるだろう。数ヵ月クレーコートシーズンでプレーしていたから、弾み方、動き方、スライディングの仕方も全然違う。それに今、順応しているところなのかもしれない。ここではいつもスライドしなければならない。まだ2試合なので、もっと勝ち進んで転倒する回数が減ればいい。でも実際、何度転んでも試合に勝てれば何も問題ない」
アドリアン・マナリノ(フランス)やセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の転倒を見ても恐怖は感じなかったのか。
「このサーフェスで動くことにほとんど恐れていない。スライディングするのが自分の動き。動きをサーフェスに合わせる必要はあるが、セレナやマナリノのリタイアは頭になかった。他の選手の気持ちは分からないし、以前より滑りやすいのかもしれない。だが、自分の動きは変わらずアグレッシブでダイナミック。クレーコートから継続している部分もある。練習と試合はまったく違うので、試合になれば滑ることは増えるものだ」
アンダーソンが相手で少しナーバスになっていた。
「コートでのウォームアップでいい感触があるときもある。他の要素が関係するときもあるけど、フレンチ・オープンで優勝して自信が大きくはなっている。でも正直に言うと、この試合に入る前はナーバスになった。相手が経験豊かな強敵で3年前は決勝で対戦したこともある。ビッグサーバーでもあり、大会序盤で当たるには非常に危険な相手だ。でも、オンコートでもオフコートでしっかり準備をしてきたつもりだ。集中して落ち着いてクリアなマインドで戦うためにコーチと準備してきた。これらすべてがコート上での自信につながる」
ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)と同様に出場する大会は考えるようになった。
「私が目指しているのはグランドスラムでピークを迎えること。でもツアーで試合は多いが、プライオリティはグランドスラムで、今年はオリンピックもある。ツアーに出続けてランキングを維持しようと意識はするけど、以前ほどたくさんの大会に出場していない。今はプライオリティ、目標が変わっている」
年齢は気にせず、前に進むだけだ。
「僕も年齢はただの数字という考えだ。自分がツアーを何年戦ってきたなどと考えることはない。健康、ライフスタイル、ポジティブな考えなど、いろいろとケアすることは多い。毎日ベストでいることは不可能だ。だが、早くリカバリーするために健康的な生活を送り、何年もよいパフォーマンスを維持できるようにしている。歳を重ねるにつれて、新しいことを学んでいる。オンコートでもオフコートでの自分をよりよく分かるようになり、自分の助けになる要素はオンコートでも普段の生活でも取り入れようとしている。とにかくこのまま前に進み続けたいんだ。あと何年プレーしたいという考えはない。自分の体が健康で勝利への野望がある限り、プレーし続けるよ」
ジョコビッチは3回戦で、予選から勝ち上がってきたデニス・クドラ(アメリカ)と対戦する。(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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