キリオスとビーナスがウインブルドンの舞台でミックスダブルスのデビュー戦に勝利

写真はミックスダブルスで初戦を突破したビーナス・ウイリアムズ(アメリカ/左)とニック・キリオス(オーストラリア)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)のミックスダブルス1回戦で、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)とニック・キリオス(オーストラリア)のペアはかなりの観客を引き寄せた。ふたりが一緒にプレーするのは、これが初めてのことだ。

 長いラリーあり、壮観なウイナーあり、ウィットに富んだジョークの言い合いもありの試合で、キリオスから2番コートの審判に向けての罵詈を含んだ熱弁もあった。

 そして最後には、苦労の末に掴んだオースティン・クライチェク/サブリナ・サンタマリア(ともにアメリカ)に対する6-3 3-6 7-5の勝利があった。

 キリオスは線審のコールが遅いことが不満だったようで、第3セットの出だしにブレークされたあと大声で審判に抗議した。

 しかしペアは迅速にブレークバックし、5-5からふたつのブレークポイントをセーブした。2つ目のピンチでは41歳のビーナスがクライチェクの頭上をロブで抜き、会場を沸かせた。そして最後はサンタマリアのフォアハンドがラインを割り、熱戦に終止符が打たれた。

 この機会を通してキリオスは、すでにビーナスから多くを学んだようだ。

「僕は過去のポイントやちょっとアンラッキーだったことに凄く腹を立てていたけど、彼女は『そんなこと覚えてさえいない』という感じだった。それは彼女から学ばなければいけないことのひとつだよ」とキリオスは試合後に語った。

「ポイントが終わったとき、彼女は先に進んでいく。彼女は過去に起こったことにまったく拘っていないんだ。それが彼女がこれだけ凄い成功をおさめる助けとなったのだと思う。だからこそ、彼女はあれほどまでに偉大なチャンピオンなんだ」

 彼らはポイントの前に戦略について話し、拳を合わせて祝い、ときどき笑い合った。

「ビーナスと一緒にプレーすることに、ちょっとばかりプレッシャーを感じていたんだ。僕はショーを見せたいとかではなく、ただ勝ちたかったんだ。以前にはミックスダブルスや他のダブルスの試合で、凄く勝ちたいなどと思ったことはなかった。今日の僕は本当に一生懸命頑張ってプレーしていたよ」とキリオスはコメントした。

「ただただ凄く楽しかった。彼女はこのスポーツの象徴のような存在だ。彼女は絶対的レジェンドだ。すべてが終わったとき、彼女はラケットを手にした中でもっとも偉大なプレーヤーのひとりとして記録されることだろう」(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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