「負けても最高の気持ち」準決勝で敗れたケルバーがスタンディングオベーションに感激 [ウインブルドン]

準決勝敗退も、スタンディングオベーションに応えるアンジェリック・ケルバー(ドイツ)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で、第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)に3-6 6-7(3)で敗退した第25シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)が試合を振り返った。

「今日は相手が素晴らしかった。どちらもかなりレベルの高いプレーを見せたと思う。お互いに力を出し尽くした。私は自分のプレーに集中していたのに対し、彼女はいつも最高の答えを出してきた。彼女のプレーはグラスコートに凄く合っていると思う。大事な場面でも素晴らしかった。それが最後に勝負を分けたと思う」

 第2セット5-3でキープできなかった。

 「2、3ポイントの違いで明暗が分かれた。彼女の積極性があり、踏ん張りどころでリスクを犯すことができた。私はそのとき自分のプレーができなかった。最後のポイントまで戦わなければならないのに。彼女が反撃してきたとき、私も負けまいと第2セットを取れるようにベストを尽くした。タイブレークでは彼女のほうがよかったし、私はミスが多すぎた。特に最初が酷かった。反撃しようとしたけど、リードがあまりに大き過ぎた。」

 バーティの多彩なショットメイキングに苦しんだ。

「彼女は本当にクレバーでスライスをどう生かせばいいか分かっていて、フォアハンドで攻めてくる。今日はサービスもよかった。彼女は自信に満ち溢れているのが分かる。ビッグマッチの経験が豊富で、現在世界ナンバーワンだから。私は自分の持てるすべてをコートで見せるしかなかった。でも、彼女のほうが重要なときによりよいショットを返してきた」

 試合が終わった瞬間、コートを去るときに少しだけ笑顔を見せた。

「心の中で、本当に長い時間がかかり、ここに戻ってこられたのだなとしみじみ考えていたの。ドイツで優勝して、ここでも気持ちを込めて戦い、いいテニスができた。1回戦からすべてのポイントで全力を尽くしてきた。この数ヵ月のことを振り返るとここまでこられたのは重要な意味を持つ。ウインブルドンのセンターコートから去るときにスタンディングオベーションをしてもらえたら、負けたとしても最高の気持ちになれる。私は今日、すべてをコートで出し尽くした。アシュは素晴らしい相手で、勝利に値した。この数週間テニスに込めてきた思いが凄く重要だと思う」

 優勝した3年前と現在を比較する。

「この3年間、いろんなことがあったから、比べるのは難しい。自分にはまだテニスへの情熱があり、いいプレーができ、世界で最高の選手たちを相手に素晴らしい試合ができた。観客の前で思い切りプレーできて本当に楽しかった。当然プレー面でよくなった部分もある。自分のプレースタイルは3年前とそれほど変わっていないと思う」

 今後のスケジュールはこれからチームと話して決める。

「今日の試合に本当に集中していたから、今後のことはまったく考えてなかった。まだ試合の余韻が残っている。今後数週間についてはチームとゆっくり話したい」

  今大会で手にした自信は大きい。

「この3週間に得られた自信を凄く大事にしたい。正しい道を進んでいると思う。自分のプレーを続けるためにどんなハードワークが必要か分かっている。このレベルを維持するのが大きなチャレンジになる。ハードコートでもいい試合を続けて、今大会のように前に進んでいきたい」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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