「僕にはグランドスラムが獲れる」ウインブルドン準優勝のベレッティーニ
初のウインブルドン決勝に進み、準優勝に終わったマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)が決勝に振り返った。今回の戦いを経て、グランドスラムタイトルを獲れる力が自分にあると確信した。
「グラスコートでの1ヵ月は本当に、本当によかった。クイーンズクラブで優勝したのは、予想外の出来事だった。ウインブルドンで決勝に進めた。この瞬間を夢にも見ていなかったのに、凄いことを達成できた。今は残念な気持ちだ。自分の最高のプレーを見せられずに負けたから残念だし、むしゃくしゃする。でもノバクが、僕をこんな風にプレーするように仕向けてきた。恐らく彼の強さがそこにあると思う。だからこそ彼は史上最高の中のひとりなんだ。彼を称えたい。信じられないような2週間だった。でも、自分にはそれだけの力があると思っている。僕にはこのタイトルを獲る力がある。実際に獲れるかどうかは分からないけど、その力はあると確信している。だから、これから数週間、数ヵ月、数年の間にトロフィーを掲げることにチャレンジし続けていく」
左太腿のテーピングは痛みがあったために巻いたが重症ではないという。
「痛みはある。それほど酷くはないし、気になるものでもなかった。それが敗因ではない。テーピングしたほうがよかったから巻いたんだ。この数ヵ月は本当に長かった。特にフレンチ・オープンからロンドンに来てクイーンズクラブで優勝、そのすぐあとにウインブルドン。たくさんの試合を戦った中で、強度の高い5セットマッチが多かった。決勝に辿り着くと体がもうバラバラになるんじゃないかと思うけど、それが普通なんだ。大したことはない。少し治療が必要だっただけで、これのせいで負けた訳じゃない」
これだけジョコビッチと大きな舞台で戦ったことで、彼を相手にグランドスラムのタイトルを獲りたいと思うものなのか。
「誰が相手でも構わないよ。ただ、彼を倒すことには大きな意味がある。彼はいま世界一の選手で、ランキングが1位なだけではない。継続して自分が最高の選手であると証明してきた。ビッグタイトルも獲っている。倒すのがもっとも難しい選手だ。もし決勝でノバクを倒せたら、それは大きな意味を持つ。でも僕は負けている。誰にでも負ける可能性はあるものだけど、今は世界最高の選手たちに敗れている。パリでは彼に負けたあと、彼がタイトルを獲った。クイーンズクラブで僕は優勝したけど、ウインブルドンでは決勝までいって負けた。自分のレベルが上がっているということだ。自分の武器もテニスもよくなっている。正しい道を歩んでいる。彼に勝つためにはもっと強くならなければいけない」
ビッグ3を観て育ってきた。
「ノバクが以前話したように、彼はラファエル・ナダル(スペイン)やロジャー・フェデラー(スイス)に何度も負けて強くなった。僕も同じことを考えている。ノバクのおかげで、さらに強くなりたいと思っている。彼とここで戦えたことは栄誉だ。彼らがビッグタイトルを争う姿を見て大きくなった。今は自分が彼らからタイトルを奪い獲ろうとしている。2年前のUSオープン準決勝でラファに敗れ、彼が優勝した。今回のフレンチ・オープンの準々決勝でノバクに敗れ、そのあと彼が優勝した…。つまり、自分はそこまでいける。今大会もノバクのほうがコートで優れていた。でも近づいてはいる。彼らと対戦するごとに僕は近づいているんだ。でも彼らも進化し続けているから、追いつくのはどんどん難しくなっている。この決勝のような試合経験が必要だ。チームともそのことを話し合った。今の自分が感じている怒り、失望感は今後の大会で大きな助けになるはずだ」
肌で感じたジョコビッチの強さを語った。
「言葉で伝えるのは難しい。まず、何よりも僕の武器であるサービスやフォアハンドをニュートライズする能力が凄い。コートカバー能力も素晴らしい。今まで経験したことのないほどだ。自分をこんな気持ちにさせる選手はノバク以外にいない。だからこそ、こんな気持ちにならないように強くならないといけない。もうひとつ挙げると、彼のサービスはこの数年でかなりよくなったと思う。本当に正確で、狙った通りライン上に打てる。グラスコートでは特に重要なポイントだ。戦術の部分では、ロジャーと同等に最高レベルの選手だと思う。ノバクはまず相手のプレーを分析して、試合中にアジャストしてくる。これはかなり難しいことなんだ。彼が30回目のグランドスラム決勝を戦ったのに対して僕は初めてだった。経験から自分の気持ちや感情をコントロールする術を知っている。だから自分もこのような試合を経験する必要がある。もう一度彼を称えたい。このような大舞台でふたたびノバクと戦える日を楽しみにしている」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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