フェデラーでもワウリンカでもなく、ベンチッチが東京オリンピックでスイスに金メダルをもたらす「自分を強く信じていた」

写真は女子シングルスで金メダルに輝いたベリンダ・ベンチッチ(スイス)(Getty Images)


 1年遅れでの開催となる世界的なスポーツの祭典「東京オリンピック2020テニス競技」(東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/7月24日~8月1日/ハードコート)の大会8日目は、女子シングルス決勝と3位決定戦および男子シングルスとミックスダブルスの3位決定戦が行われた。

 スイス人テニスプレーヤーがオリンピックで金メダルを獲得したが、それはロジャー・フェデラー(スイス)でもスタン・ワウリンカ(スイス)でもなかった。

 世界ランク12位のベリンダ・ベンチッチ(スイス)は土曜日、より有名なスイスの同胞たちが一度もできなかったことをやってのけた。そして彼女はまだ、すべてを終えていないのだ。

 東京五輪テニス競技の女子シングルス決勝で第9シードのベンチッチはマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)を7-5 2-6 6-3で倒し、キャリア最大のタイトルを獲得した。そして彼女は日曜日、もうひとつの金メダルをかけて戦うことになる。

 ビクトリヤ・ゴルビッチ(スイス)とのペアで出場している女子ダブルスでも勝ち残っているベンチッチは、2冠目をかけて最終日に第1シードのクレイチコバ/カテリーナ・シニアコバ(チェコ)と対戦する予定になっている。

「ふたつもメダルを獲れるなんて、信じられないわ。もうひとつはこれから決まるけど、ひとつは金メダルよ」とベンチッチはコメントした。

「自分の中に残ったすべてのエネルギーを注いで戦うわ」

 フェデラーとワウリンカは2008年北京オリンピックでペアを組み、男子ダブルスで金メダルに輝いた。それからフェデラーはウインブルドンの会場であるオールイングランド・クラブで行われた2012年ロンドン五輪で、アンディ・マレー(イギリス)に敗れはしたが男子シングルスで銀メダルを獲得した。

 キャリアにおいてベンチッチが影響を受けた自国の元女王であるマルチナ・ヒンギス(スイス)でさえ、オリンピックで金メダルを獲ったことはなかった。彼女の最高成績は、2016年リオデジャネイロ五輪でティメア・バシンスキー(スイス)と組んで勝ち獲った女子ダブルスでの銀メダルだった。

「私は彼らのためにそれを達成したのだと考えているわ。彼らはそのキャリアの中で、本当に多くのことをやってのけた。私は自分が彼らがやったようなことを成し遂げられるとは思わない。だからこれは、マルチナとロジャーのためのメダルなのよ」とベンチッチは語った。

 これ以前にテニス競技のシングルスで金メダルを獲得した唯一のスイス人はマルク・ロセ(スイス)で、それは1992年バルセロナ五輪でのことだった。

 今回の東京オリンピックには、フェデラーもワウリンカも出場しなかった。そのため2019年USオープン準決勝進出者のベンチッチは、今大会でもっとも実績のあるスイス人選手だった。

 第3セットの半ばにメディカルタイムアウトを取ったベンチッチは、右足の親指にできた水ぶくれの治療を受けた。しかし治療から戻った彼女は、問題を抱えているようには見えなかった。

 2度目のマッチポイントでボンドルソバのリターンがアウトとなったとき、ベンチッチはボールが地面に着くのを待ちきれずに仰向けにコートに倒れた。

「どのようにしてうまくいったのか本当に分からないわ。私はとにかく自分を強く信じていたの」とベンチッチは振り返った。

 これに先立ち同種目の3位決定戦が行われ、第4シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が第15シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン)を1-6 7-6(5) 6-4で倒して銅メダルを確保した。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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