「メダルより大事なものをたくさん持ち帰れる」女子ダブルス準優勝のゴルビッチ/ベンチッチ [東京2020]

銀メダルを受け取り、何やら話すビクトリヤ・ゴルビッチ(左)とベリンダ・ベンチッチ(スイス)(Getty Images)


 1年遅れでの開催となった世界的なスポーツの祭典「東京オリンピック2020テニス競技」(東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/7月24日~8月1日/ハードコート)の女子ダブルス決勝で第1シードのバーボラ・クレイチコバ/カテリーナ・シニアコバ(チェコ)に5-7 1-6で敗れたベリンダ・ベンチッチ/ビクトリヤ・ゴルビッチ(スイス)は、試合後もメダル授与式でも悲壮感はなく終始笑顔だった。

 スイスで大変な盛り上がりとなっている。

「物凄くうれしい。月曜日には他のメダリストたちと一緒にスイスへ帰る。私たちがスイスのために勝ち獲ったメダルを皆が待ってくれていると聞いてすごくうれしいわ。この大会は信じられないほど素晴らしいものだった。たくさんの感情が入り混じったけど、その気持ちをスイスに戻って皆と分かち合うことができるのがうれしい」(ベンチッチ)

 人生最高の1週間だったのか。

「ええ、もちろん最高の1週間だった。これ(金メダル)を獲って、これ(銀メダル)も獲れたから。でもメダルやタイトルだけじゃなくて、ここで刻まれた思い出は一生忘れない。それをビキ(ゴルビッチ)と分かち合うことができて本当によかった。大会を通してツアーと同じような大会という感覚はまったくなく、一人で戦っているという感触もなかった。彼女はずっと私と一緒に戦ってくれた。金メダルも彼女と一緒に勝ち獲ったものだと、いつも彼女に感謝を伝えている。80歳になって一緒にコーヒーでも飲みながら、この瞬間の思い出について2人で語り合いたい。それが今から待ちきれない!」(ベンチッチ)

 今回の結果が、今後のキャリアでどのように助けになるのか。

「間違いなく、シングルスの金メダルとダブルスでの決勝進出は大きな自信になる。夢が叶った。一つの大きな夢を叶えたから、今後はよりリラックスしてプレーできると思う。夢を実現させたいと強く願ってきて、それが叶ったのだから、ある意味力を抜いてやっていける」(ベンチッチ)

 このオリンピックでのスイス代表の大活躍について。

「私の試合が終わった直後は、すぐにでもアイラ・デルポンテ(女子100m)とムジンガ・カンブンジ(女子200m)の結果が知りたかったの。本当にスイスの活躍は素晴らしい。お互いの競技を見られないときでも、いつもお互いにメールをして今大会大活躍のスイスの選手たちはお互いを支え合っている」(ベンチッチ) 

 第1セットで少し疲れているように見えた。

「よくあることかもしれない。自分に2度目の追い風が吹くまで、残ったエネルギーで我慢強く戦い抜くしかなかった。試合中にいくつか問題があったけど、何とか持ち直せた。このような試合では最初から最後まで同じようにプレーするのが難しい」(ゴルビッチ)

 この決勝の難しさ。

「感情はメダルの懸かった試合でも、そうでない試合でもいつでも重要な要素になる。この試合では感情の起伏が凄く激しかった。信じられないほどメンタル的に厳しい試合だった。プレッシャーがとても大きい中、彼女と一緒にプレーできてよかった。私たちはお互いを助けることができた」(ゴルビッチ)

 東京オリンピックの思い出。

「いろんな国の選手たちとピンバッジを交換して、物凄い数になった! 選手村を歩き回って、すべてのお土産を手に入れた。私のリュックサックはスイスに持ち帰るお土産で一杯になっている。ここでの滞在時間に本当にいろんな経験をした。メダルよりも貴重なものをたくさん持ち帰ることができて、本当にありがたい」(ゴルビッチ)(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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