世界1位のジョコビッチが回復の必要性を理由にシンシナティを欠場、『年間グランドスラム』がかかるUSオープンはぶっつけ本番に

写真は東京オリンピックでのノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が月曜日、ウェスタン&サザン・オープンの出場を取り消した。つまり彼が次にプレーするのは、『年間グランドスラム(同じ年に四大大会全制覇)』達成がかかるUSオープンということになる。

 自身のSNSを更新したジョコビッチは、「オーストラリアから東京への負担の大きい旅のあと、回復するために少し長めの時間が必要だ」と説明した。

 今シーズンのジョコビッチは2月にオーストラリアン・オープン(ハードコート)、6月にフレンチ・オープン(クレーコート)、7月にウインブルドン(グラスコート)で優勝し、2021年のグランドスラム大会で21勝0敗の戦績を誇っている。男子では1969年にロッド・レーバー(オーストラリア)が年間グランドスラムを達成してから今年まで、シーズン最初のグランドスラム3大会を制した選手さえひとりもいなかった。

 ウインブルドン後にジョコビッチは『ゴールデンスラム(四大大会全制覇+オリンピックの金メダル)』に挑むため東京オリンピックに出場したが、彼は金メダルはおろか何色のメダルも獲得することができなかった。34歳のジョコビッチは男子シングルス準決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れ、銅メダル決定戦ではパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)に屈したのである。

「昨日と今日は、然るべきプレーができなかった。テニスのレベルが落ちてしまった。それはまた、心身の疲労のためでもある」とジョコビッチは3位決定戦のあとに話していた。

「僕は全力を尽くした。あまりたくさんではなかったとはいえ、最後に残ったエネルギーをすべて絞り出して戦った」

 ニーナ・ストヤノビッチ(セルビア)と組んで臨んだミックスダブルスでも準決勝で敗れたジョコビッチは、銅メダルマッチを棄権した。

 ウェスタン&サザン・オープンはアメリカ・オハイオ州シンシナティで来週末に始まり、今年最後のグランドスラム大会であるUSオープンは8月30日に開幕する予定になっている。

 昨年のウェスタン&サザン・オープンでジョコビッチは同大会で2つ目のタイトルを獲得し、9大会あるATPマスターズ1000の大会をそれぞれ2度以上制す「ダブルゴールデンマスターズ」の偉業を成し遂げた。昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中での移動を考慮し、USオープン会場でもあるフラッシングメドウでUSオープン直前に行われていた。

「焦点をUSオープンに合わせ、家族と一緒にもう少し時間を過ごす。ニューヨークで会おう!」とジョコビッチは月曜日にSNSを通してコメントした。

 実現すれば男子では史上4度目となる『年間グランドスラム』――過去に達成したのは1938年のドン・バッジ(アメリカ)と1962年と69年のレーバーのみ――を目指すことに加え、ジョコビッチはまたUSオープンで21回目のグランドスラム制覇を目指すことになる。成功すれば彼は、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)に並んでいるグランドスラム大会獲得タイトル数「20」の男子最多記録を破り、単独トップに躍り出ることになる。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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