「痛みから解放され、トップ選手とも戦える」2回戦敗退にも自信を見せるマレー [ウェスタン&サザン・オープン]
ATPツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月15~22日/賞金総額540万4435ドル/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、第9シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)に6-7(4) 3-6で敗退したアンディ・マレー(イギリス)が試合後に現在の自身の状態について語った。
「今大会でのプレーは悪くなかった。ウインブルドンのときよりかなりよくなっている。僕には調子を判断する2つのポイントがある。1つ目は体の状態がよくなければいけないといこと。これは今後に大きな影響を与える。2つ目は、数ヵ月間戦い続けて自分のテニスのレベルが落ちてしまったら、それは後退しているという悪いサインになるということだ。今大会でのプレーを振り返ると、後退しているようには感じなかった。アメリカのハードコートは正直、体への負担が大きい。長いラリーのあとに疲労を感じたが、痛みはなく調子はいい。テニス自体もよくなっている。でも、今日のようにビッグサーバー相手だと難しいことが多い。試合勘が十分ではないとリズムがなく、チャンスを掴むのは難しい。数年前なら今日の試合の第1セットでチャンスを掴めたはずだ。今日はそれができず、ビッグサーバー相手に致命傷になった」
以前、フルカチュとマレーのプレーが似ているとコーチが言っていたが、どう思うか。
「リターンのときの動きが似ているようだ。バックハンドもフラット。彼は大きいけど動きがいい。それは僕の強みでもあった。似ているところもあれば、違うところもある。僕はリターナー。彼はビッグサーバー。似ている部分もあるけど、違うタイプだと思う」
来週からウィンストンセーラムに出るのか、それともUSオープンに直接向かうのか。
「これからチームと話さなければいけないテーマだ。ウィンストンセーラムの状況、ワイルドカードの状況など把握していないから。難しい決断だ。体の調子は凄くいい。ウインブルドンの前はよくなかったから試合が必要だった。今は調子がいいから、このまま行ってもいい。だが、試合は自分の調子を上げてくれるもの。毎週試合に出ていると、よりよい判断ができてプレーがよくなっていく。今はフィジカル状態がいい。ウィンストンセーラムに行っていいプレーができれば、USオープンでもさらによくなるかもしれない。ウィンストンセーラムで修正できる部分もあるが、難しい判断になる」
今年よくなってきた部分について。
「サービスのスピードだ。今大会、リシャール・ガスケ(フランス)との1回戦でサービスエースが14本くらいだった。テニスで一番重要な数字ではないけど、2セットマッチではキャリアで4番目に多い数字だった。ウインブルドンではサービエースでのフリーポイントがほとんどなかった。取り組まなければいけない大きな課題だった。だから、この数字は素直にうれしい。今日の試合の第1セットでもファーストサービスで多くのフリーポイントを取ることができた。第2セットでも継続したかったが、できなかった。1回戦での自分の動きは自信が持てるものだった。ドロップショットへの反応、動きは改善の余地があるけど、ベースライン上の動きはよかった。大事な場面での判断が大事だった。第1セットの5-4セットポイントでミスをしたし、ネットに出てミスもあったし、タイブレークでも判断がよくないポイントがあった。そこは修正したい。それでもポジティブな面も多い試合だった」
トップ選手は判断力がどのように違うのか。
「その話を始める前に、画面に映っている君の左後方にロジャー・フェデラー(スイス)の写真が見えるのに、僕のはどこにも見えないからちょっとだけ残念だ! 冗談だよ。練習ではあまり考えずにボールを打つことができる。でも試合でプレッシャーにさらされると、またそのような経験が足りないと瞬間的な判断が難しい。試合を重ねれば重ねるほど、瞬時の判断が自然とできるようになるものだ。この数年間、ノバク(・ジョコビッチ/セルビア)が誰よりも素晴らしいショットディシジョンができている。プレッシャーのかかった状況でも素晴らしい判断力だ。トップ10選手にとっては、大事な場面でいい判断ができるかどうかが重要なポイントだ。その自信は試合に継続的に勝つことで得られると思う。例えば、今日の試合で僕が判断ミスをしたけど、次の大会では同じ間違いは繰り返さないよ。同じ場面で過去の記憶が自分を助けてくれるんだ。それは練習で得られるものではない。ここ最近、マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)、フルカチュ、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)らトップ選手と戦っているが、彼らのようないい判断が現在の自分にはできていない。ビッグサーバーに対してブレークポイントやタイブレークでの大事なポイントでね。試合をもっとこなしていれば、もっといい判断ができると思う。ビッグポイントでどこにサービスを打つかなどね。ビッグサーバー相手だとチャンスは少ないから、ブレークポイント、タイブレークは本当に重要なんだ」
今はまったく痛みがないのか?
「今大会もウインブルドンでも体の調子はよかった。その前のクイーンズではあまりよくなかったけど。ウインブルドンでフィジカルはよかったけど、試合後は疲れを感じた。今日は結構暑かったけど、うまく対処できたと思う。痛みは感じていない。朝起きて痛みがまったくなければ、練習してテニスに集中して高いモティベーションで戦うのは容易だ。でも痛みがあったりすると、練習で少し抑えながら試合に入るときも少し自信がなく、ストレスがあるものだ。ロジャーも膝の問題があったけど、そうすると試合に集中するのが難しいんだ。自分が今大会のようにプレーできれば、トップ選手とも戦えるはずだ。今日はダメだったけど。体の調子がよく、痛みがあまりなければいけるよ。この3、4年はいつも痛みとの戦いだった。今日のように痛みから解放されると格段に楽しいし、テニスに集中できる。腰が痛い、股関節が痛い、尻に痛みがあることが頭を過ぎることなく、どんなショットがいいかを考えることができる。いつも体の状態を気にしながらプレーするのは、スポーツ選手にとってよくないことだ」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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