ルブレフがツアー公式戦でメドベージェフから初勝利、マスターズ初制覇をかけてズベレフと対決 [ウェスタン&サザン・オープン]

写真はアンドレイ・ルブレフ(ロシア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月15~22日/賞金総額540万4435ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝が行われ、東京オリンピック金メダリストのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と世界ランク7位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)がタイトルをかけて対決することになった。

 午後の試合で第4シードのルブレフが第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)に2-6 6-3 6-3で逆転勝利をおさめ、夕方の試合で第3シードのズベレフが第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に6-4 3-6 7-6(4)で競り勝った。世界5位のズベレフは第3セットのコートチェンジの際に胃の問題のためメディアカルスタッフを呼ばなければならなかったが、この不具合を払いのけて接戦をものにした。

 ルブレフにとってのターニングポイントは8度のデュースと5つのブレークポイントがあった第3セット第8ゲームで、彼はそこでブレークに成功した。

「本当に湿気が高くて暑かったから、あれは僕らふたりにとってターニングポイントだった」とルブレフは振り返った。

「長いラリーが多くあり、ダニールが疲れていたのがわかったよ。何故なら彼は、普段しないようなミスを犯していたからね。僕はあのとき、ここが勝負を分ける瞬間だと感じたんだ。僕が取ればダニールは意気消沈するだろうから、勝つチャンスがあるはずだと思ったね。そして結局、僕はそのゲームを取ったんだ」

 2019年大会のチャンピオンで2020年はノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れて準優勝だったメドベージェフはプレー中にテレビカメラに衝突するアクシデントを克服したが、同胞のルブレフを乗り越えることはできなかった。両者はこれがツアーで5度目の対戦だったが、ルブレフが勝ったのは初めてだった。

 メドベージェフは第2セット第3ゲームでボールを追って走っているとき、コート後方に設置されたテレビカメラに衝突した。プレーの妨げになる場所にテレビカメラが置かれていたことに腹を立てたメドベージェフは足を上げてカメラを蹴る仕草をし、主審にカメラの位置を変えるよう訴えた。またその直後のコートチェンジではトレーナーを呼び、衝突の際に左手に負ったダメージの治療を受けた。彼はまた第3セット第6ゲームの前にも、右上腕の治療を受けた。

 一方のズベレフは第3セットで一時1-4とリードを奪われ4-5からチチパスのサービスゲームという窮地に追い込まれたが、そこでブレークバックして5-5に追いつき最終的にタイブレークの末に勝利をもぎ取った。

 セットを先取したものの自らのレベルを落として第2セットを奪われたズベレフは第3セット5-5から目覚ましいサービスエースを3本決めて6-5とし、タイブレークでもファーストサーブをしっかり入れて流れを手放さなかった。

「(2-4とする)最初のブレークのあと、僕はまだチャンスがあると感じたんだ。彼のサービスはそれほど強くなく、僕はラリーに持ち込むことができていたからね。オリンピックでノバクに対して持つことができたメンタリティのおかげでもあったよ」とズベレフは試合後にコメントした。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中での移動を考慮し、USオープン会場でもあるフラッシングメドウでUSオープン直前に行われていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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