フェデラーがスロースタートを克服して準々決勝進出 [オーストラリアン・オープン]

 この日のフェデラーのフクソービッチに対するスロースタートは、金曜日に第5セットのスーパータイブレークの末にジョン・ミルマン(オーストラリア)を倒す過程で消耗したエネルギーの結果だったのかもしれない。

「あの翌朝…そして今朝…、僕はベッドに1時間横たわっていた」とフェデラーは明かした。「僕は、『いつ立ち上がるんだ?』という感じだったよ。時間が経つにつれ、毎日気分はよくなっていくだろうと思う」。

 ミルマンは最後のタイブレークで8-4とリードし(最終セットのタイブレークは10ポイント先取)、勝利まで2ポイントというところまで迫っていたが、フェデラーは最後の6ポイントを連続で取った。

「彼は僕にベースラインから重いパンチをくれた」とフェデラーはミルマンについてコメントした。「だからそれが、少し自信を取り去ってしまったのかもしれない」。

 世界ランク67位で初のグランドスラム大会準々決勝進出を目指していた27歳のフクソービッチに対しては、ことは決してそう悲惨な状態にはならなかった。

 第1セットで一度もブレークポイントを握れなかったあと、フェデラーは試合の残りで7度フクソービッチのサービスゲームをブレークした。

 気温が20度ほどしかなかったその夜、フェデラーはウィナー数で44対15と相手を大きく凌いだ。

「霜が降りそうだった」とフェデラーはジョークを言った。「いや実際は、そう寒いってわけじゃないけどね。オーストラリアのこの時期にしてはかなり涼しかった。まったく違う気候であり得ると、僕ら皆が知っている」。

 しかしフクソービッチは、気温の低い夜の試合という環境が、この結果をもたらした要因の一つだったと考えていた。彼のこれに先立つ試合は、暖かい気温と薄い大気がより簡単にウィナーを叩き込むことを可能にする日中に行われていた。

「このコンディションには少し驚いた」とフクソービッチは語った。それから彼は最後の3セットで、そのコンディションを自分に有利なように使ったことについてフェデラーを讃えた。

「ロジャーはスライスやドロップショット、トップスピンを打ち、リズムに変化を与えていた」とフクソービッチは振り返った。「彼は正しいことをやった。そして僕はそれに対処できなかったのだと思う」。

 ここまでのこの大会でフェデラーはまだシードプレーヤーに当たっておらず、それはサングレン戦でも同じだ。サングレンは世界100位だが、第12シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)を7-6(5) 7-5 6-7(2) 6-4で倒して勝ち上がった。

 過去21回のオーストラリアン・オープン出場でフェデラーを倒した選手のうち、もっともランキングが低かった選手は、2000年にそれをやってのけた世界54位のアルノー・クレメン(フランス)だった。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)

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