ATPツアー公式戦の「サンディエゴ・オープン」（ATP250／アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ／9月27日～10月3日／賞金総額66万1800ドル／ハードコート）の男子シングルス1回戦で、ワイルドカード（主催者推薦枠）を得て参戦した元世界ナンバーワンのアンディ・マレー（イギリス）がデニス・クドラ（アメリカ）を6-3 6-2で退けた。

　現在世界ランク109位のマレーは元々同52位の錦織圭（日清食品）と対戦する予定だったが、31歳の錦織が背中のケガで棄権を余儀なくされたためラッキールーザーのクドラに相手が代わっていた。

　グランドスラム大会優勝歴3回でオリンピック2大会連続で金メダルを獲得した実績を持つ34歳のマレーは2度に渡る股関節手術と一連のケガを経験し、ふたたび調子を取り戻そうと奮闘している。マレーは前週のメスで準々決勝に進出し、最終的に優勝したホベルト・フルカチュ（ポーランド）に敗れていた。USオープンでのマレーは世界3位のステファノス・チチパス（ギリシャ）に敗れたものの、5セットの接戦を演じていた。

「よくなってきているよ。USオープンがよりよいプレーができ始めるきっかけとなった。とにかく今の僕は、ランキングの高いプレーヤーたちを倒していかないとね」とマレーはコメントした。

　マレーは2回戦で、第2シードのキャスパー・ルード（ノルウェー）と対戦する。上位4シードは初戦がBYEで免除されており、2回戦からの登場となる。このところ目覚ましい成長を遂げているルードは先週末にボストンで開催されたレーバー・カップに出場し、欧州選抜の4連覇に貢献していた。

「僕はこのところ、トッププレーヤーたちに対する試合で勝つチャンスを手にしていた。僕は彼らを倒すことは可能だと思っている。僕はただ、手にしたチャンスをものにしていく必要があるだけなんだ。僕は木曜日に、ルードに対してそれをする機会がある」とマレーは意欲を見せた。

　この日プレーしたシード勢は第6シードのディエゴ・シュワルツマン（アルゼンチン）が予選勝者のフェデリコ・ガイオ（イタリア）を6-2 6-3で、第9シードのロレンツォ・ソネゴ（イタリア）はニコラス・バシラシビリ（ジョージア）を6-3 6-4で下してそれぞれ2回戦に駒を進めた。

　そのほかの試合ではキャメロン・ノリー（イギリス）、グリゴール・ディミトロフ（ブルガリア）、ロイド・ハリス（南アフリカ）、セバスチャン・コルダ（アメリカ）が初戦を突破した。

　この大会は新型コロナウイルス（COVID-19）のパンデミックにより中止となる大会が多い中、ATPツアーのカレンダーに新たに追加された。(C)AP（テニスマガジン）