バシラシビリがジョージア人として初のマスターズ決勝進出「本当に大きな意味がある」 [ATPインディアンウェルズ]

写真はニコラス・バシラシビリ(ジョージア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/10月7~17日/賞金総額914万6125ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第29シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)が第31シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を7-6(5) 6-3で倒してキャリア最大のタイトルにあと1勝と迫った。

 南カリフォルニアで育った23歳のフリッツはインディアンウェルズ・テニスガーデンの明らかなお気に入りだったが、1時間41分の戦いでバシラシビリに敗れた。フリッツは2001年のアンドレ・アガシ(アメリカ)以来となる地元優勝を目指していたが、その代わりに今季の準決勝で5連敗目を喫した。

 お互いにサービスゲームをキープしあった第1セットでフリッツはセットを締めくくるブレークポイントを3つ(5-4から2本、6-5から1本)手にしたが、ハードヒッターのバシラシビリにすべて凌がれた。タイブレークでも5-5と競り合ったが、フリッツが2本連続でミスを犯してセットを落とした。

「彼は間違いなくツアーの誰よりもバックハンドを強く打つ。本当に強くてフラットで深いから、あれが入ってくるとほとんど何もできないよ。僕がもっとアグレッシブにいこうとすれば、相手の強烈なボールを強く打とうとしてミスが増えてしまっていただろうね」とフリッツはコメントした。

 第2セット第6ゲームで唯一のブレークポイントをものにしたバシラシビリは4-2とリードし、続く2ゲームをキープし合って5-3となって最終局面を迎えた。最初のマッチポイント3つをものにすることができなかったバシラシビリはアンフォーストエラーでフリッツにブレークバックのチャンスを2度与えてしまったが、最後はフォアハンドのウィナーを決めて勝利をもぎ取った。

「僕は自分がリードしていたときより、ブレークポイントを握られたときのほうがリラックスできていた。硬くならずにボールに集中し、動きもよくなったよ。あのときの僕は、全然ミスを犯していなかったね」とバシラシビリは振り返った。

 この勝利でバシラシビリは、旧ソビエト連邦から独立したジョージアから初めてATPマスターズ1000の大会で決勝に進出したプレーヤーとなった。

「このようなことを達成できて本当にうれしいよ。特にジョージアは非常に小さな国だからね。国でテニスは人気スポーツではないから、僕は国からの援助を何も受けなかった。僕は自分で道を切り開いたんだ。僕はここに辿り着くために本当に険しい道を歩いてきたから、本当に大きな意味があるよ」

 バシラシビリは決勝で、第23シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-2 6-4で破って勝ち上がった第21シードのキャメロン・ノリー(イギリス)と対戦する。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより中止となり、2021年大会は3月から延期されて史上初めて秋に開催されることが決まっていた。今大会ではウイルス対策のため、観客の入場を制限して行われている。(APライター◎ベス・ハリス/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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