「“ただのテニスの試合”と思えばストレスは感じない」 [メドベージェフ×シフィオンテクTecniLIVE特別対談Part1]

写真はイガ・シフィオンテク(ポーランド/左)とダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)


 テクニファイバーの“テクニライブ”で、同メーカーと契約しているダニール・メドベージェフ(ロシア)とイガ・シフィオンテク(ポーランド)が対談を行った。Part1ではファイナルズ出場の先輩であるメドベージェフが初出場となるシフィオンテクにアドバイスを送った。司会はフランス人ジャーナリストのブノワ・マイリンが務めた。

マイリン「ようこそイガ・シフィオンテク! 僕の発音、シフィオンテクは合っているかい?」

シフィオンテク「完璧よ!」

メドベージェフ「僕もそんなにうまく発音できないよ」

マイリン「イガ、調子はどう?」

シフィオンテク「凄くいい。今もアメリカに滞在している。インディアンウェルズが終わってからもずっとここにいる。フィジカルトレーニングに力を入れているから、結構疲れている。でも生活はうまくいっているし、元気よ」

マイリン「初めてのWTAファイナルズ出場(11月10日~)でナーバスになっている?」

シフィオンテク「なってないと思う。もし大会の1、2週間前にナーバスになってしまったら、一生ナーバスじゃないといけないでしょ? 大会直前には少しナーバスになると思う。グアダラハラ(メキシコ)でどんな環境下、条件の中でプレーするかわからないから順応するのは難しいかもしれない。でも、皆がそこを目指して戦っているから、その舞台に立てるのは素晴らしい経験になる。プレッシャーはあるけど、出場権を獲得できてうれしい」

マイリン「では、ダニールから少しアドバイスを貰おうか? ATPファイナルズでコートに出るときにストレスを感じることはあったかい?」

メドベージェフ「僕はそんなに試合前にストレスを感じないんだ。イガのようにいつもストレスを感じる人がいるのは知っている。それがあると人生はかなり難しくなる。今後のキャリアでストレスはたくさん感じるだろう。でも、ただのテニスの試合なのさ。試合中は忘れてしまうけど、試合後はただのテニスの試合だと思える。僕らは誰かの命を救うような大変な仕事じゃない。僕の初めてのファイナルズはいい経験じゃなかったから、本当はあまり話したくないんだ。とにかく集中し続けることだ。第3セット5-1でリードしても集中だ。マッチポイントでもとにかく集中すること。それが僕のアドバイスだ。チームと話したりせず、感情を見せることもせずに、とにかく試合を終わらせることに集中する。僕がファイナルズでの経験から学んだのは、それだ(※2019年のファイナルズでラファエル・ナダルに対して最終セット5-1でマッチポイントを生かせず逆転負けした)。イガは中南米でプレーしたことがないから、難しいのは当然だ。でもそこで自分のプレーをして、対戦相手を倒すことを期待しているよ」

マイリン「この大会についてメンタルコーチとどんなことを話した?」

シフィオンテク「ファイナルズがどんなものか全然わからないことが一番気になっているところ。会場がまずいつもと全然違う。普段はインドアで照明の下でプレーするけど、今回は屋外だと聞いている。いろんな状況を想定して練習している。周囲がうるさいところ、照明がまぶしいところでプレーしてみたりね。でもダニールが言ったように、これはただのテニスの試合だということを忘れないようにしている。違う大会で違うシステムだけど、コートに立てばすべては同じはず。いつものようにプレーに集中して周囲に惑わされないようにすることが大事。簡単じゃないことはわかっている。グランドスラムを戦うとき、私はいつもより2倍感情が高ぶり、2倍のストレスを感じる。ファイナルズも似た感じになると思う。でもある程度慣れているから、プレッシャーの中でも問題なくプレーできるはず」

Part2に続く(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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