アメリカが三つ巴のグループCを突破しロシアに対する準決勝へ [ビリー ジーン・キング・カップ]
女子テニスの国別対抗戦「ビリー ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ) by BNPパリバ ファイナルズ」(チェコ・プラハ/11月1~6日/室内ハードコート)の大会4日目は、グループBとグループDのラウンドロビン(総当たり戦)第3戦が行われた。
第3シードのアメリカがスペインに対してシングルス2試合に勝ち、グループCから準決勝進出を決めた。火曜日に行われた初戦でスロバキアに1勝2敗で敗れたアメリカは負けが許されない状況に直面していたが、スローン・スティーブンス(アメリカ)とダニエル・コリンズ(アメリカ)が揃ってストレート勝利をおさめてダブルスの結果を待たずしてグループ首位を確定させた。
スティーブンスは最初のマッチポイントでバックハンドのウィナーを決めて7度目のブレークに成功し、ヌリア・パリザス ディアス(スペイン)を6-4 6-4で退けた。続くエース対決ではコリンズが1時間もかけずにサラ・ソリベス トルモ(スペイン)を6-1 6-0で一蹴し、勝利を決める2勝目を挙げた。
2017年USオープン優勝者のスティーブンスは「準備ができているとわかっていたから、私は本当に自信を持ってコートに出ていくことができたわ」と話し、コリンズは「このフォーマットではすべてのゲーム、すべてのセットが重要になってくる。私に関して言えば、今日は何をしてもうまくいく感じだった。このようなパフォーマンスをしていると、それを言葉で表現するのはかなり難しいわ」と語った。
かつてフェドカップの名で知られたこの女子国別対抗戦で最多となる18回の優勝を誇るアメリカは、準決勝でグループAを2戦全勝で突破したロシアと対戦する。ロシアは同日の早い時間帯に、前回大会優勝国で第1シードのフランスを2勝1敗で下していた。
前日にカナダを3勝0敗で圧倒していたロシアがグループAを勝ち上がるためには、3試合でたった1勝が必要なだけだった。ロシアは最終的にその1勝を、第2試合のエース対決でものにした。世界ランク12位のアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)が同59位のアリゼ・コルネ(フランス)を5-7 6-4 6-2で倒した瞬間、ロシアの準決勝行きが決まった。
「本当にうれしいし、自分を誇りに思うわ。素晴らしい試合だった。とてもいいテニスだったけど、私たちがふたりとも驚くべきファイティングスピリットを見せたことがより重要だった」とパブリウチェンコワは振り返った。
第1セットを落としたパブリウチェンコワは第2セットの第1ゲームでブレークに成功し、コルネとの対戦成績を7勝1敗とする過程で34本のウィナーを決めた。
月曜日の初戦で格下と見られていたカナダに1勝2敗で敗れていたため、フランスがグループ首位になるためにはロシアに3勝0敗で勝つ必要があった。
フランスの敗戦が決まる前、クララ・ビュレル(フランス)が最初のシングルスに勝って望みを繋いでいた。同大会のシングルスに初めて抜擢された世界77位のビュレルは同32位のエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)を3-6 6-4 6-3で破る番狂わせに成功し、トップ50の選手に対する初勝利をマークした。
「本当に特別だわ。母国のための最初の試合だったし、今日は勝つことができて本当にうれしい」とビュレルはコメントした。
ロシアはダブルスにも勝ち、最終的に2勝1敗で勝利を飾った。
ビリー ジーン・キング・カップは新フォーマットの採用を決定して本来なら2020年から12ヵ国が一堂に会するファイナルズで優勝国を決めることになっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりキャンセルされていた。
ファイナルズでは12ヵ国が3チームによる4グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位が決勝トーナメント(準決勝)に進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。(APライター◎カレル・ヤニチェク/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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