「サインをもらう気持ちがよくわかるから」勝利後に延々とサイン、記念撮影に応じ続けたジョコビッチ [Nitto ATPファイナルズ]
男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月14~21日/室内ハードコート)のグリーン・グループのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦で第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-3 6-2で下して決勝トーナメント進出を決めた第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、ロジャー・フェデラー(スイス)やファンと触れ合うことの重要性などを語った。
ロジャーがインタビューで“来年のウインブルドンに出られないかもしれない。グランドスラム大会に出ることに挑戦するができるかわからない”とも言っていた。これについてどう思うか?
「いま初めて聞いた。彼のコーチであるイバン・ルビチッチ(クロアチア)がオーストラリアン・オープンの出場も難しいとインタビューで話していたのは知っている。それが自分の知る最新のニュースだ。ロジャーは我々のスポーツのアイコンだ。世界中の人々が彼を愛している。皆が彼のプレーを観るのが好きで、彼がそこにいるのを見るのが好きだ。彼はコートの内外でテニスにとって重要な存在。テニスのためには、彼がふたたびプレーする姿を少なくとも1回は観たい。彼がこんな形でキャリアを終えたくないのはわかっている。彼はもう一度トライするはずだ。ケガの詳細は知らない。膝の問題でこの何年か苦しんでいるのは知っているけど。とにかく状況を見守ろう。テニスで達成したこと、このスポーツのためにしてきたことを考えると、彼にはふたたびプレーする権利がある。もしケガでツアーに出場できないのなら、きちんとしたお別れの場が必要だ」
君は試合後に15分ほど子供たちのためにサインをしていた。世界ナンバーワンが子供たちのためにこれほど時間を費やすのは見たことがない、信じられない! 君は子供の頃誰にサインを求めたんだ?
「子供がテニスを観に来る機会は頻繁にあるものじゃないから、その1回がどれほど重要なのか理解している。トップ選手と記念撮影したいし、記念にお土産やサインが欲しいものだ。皆を満足させることは不可能だが、皆のためにその場にはいたい。特に子供たちのためにね。僕も小さい頃そういう気持ちだったから。残念ながらセルビアでは、それほど大きな大会がなかった。フューチャーズやチャレンジャーレベルの大会しかなかった。もう僕はジュニアとしてプレーしていたけど、ラファエル・ナダル(スペイン)、リシャール・ガスケ(フランス)、マリオ・アンチッチ(クロアチア)がチャレンジャー大会に出るためにセルビアに来たのを観に行った記憶がある。彼らはまだ若かったけど、すでにテニス界のスターだった。僕自身はフューチャーズ大会のボールキッズを務めたこともある。それがセルビアで開催されたテニスの最大の大会だったんだ。そしてグランドスラム・ジュニアに出場するようになってからも、トップ選手たちと何度も何度も記念撮影をしてもらった。だからこそ子供たちの気持ちがよくわかるし、プレーする姿を観るだけでなく、サインをしたり一言二言言葉を交わすなど間近で触れ合うことの重要性がよくわかるんだ」
憧れたのはピート・サンプラス(アメリカ)?
「サンプラスは僕がプロに転向してツアーを回り始めた1、2年前に引退してしまった。彼のプレーを生で観るチャンスはなかった。彼と初めて会ったのは2010年のインディアンウェルズで、物凄く緊張した。彼が大会の練習コートのラ・キンタリゾートに現れたんだ。少しだけ会話をして打ち合うことができた。彼にとっては些細な出来事だったはずだけど、僕にとっては忘れられない特別な場面だったよ」
サックスを吹くと聞いたが、テニス以外で一番難しいことは?
「サックスだよ。難しいんだ。本気で習おうと思ったことはないけど、今大会にも持参しているんだ。まだスーツケースの中で荷物の中から出していないけど。でも、まだ初心者だから酷い音色しか出せない。ホテルの隣のお客さんの迷惑だし、妻やチームの人たちにとっても迷惑だからね。まだ習わないといけない。でもその楽器が好きなんだ。どんな楽器も好きだけど、サックスはいろんなタイプの音楽でも対応できるから素晴らしい。吹くのが難しいのも魅力のひとつだ。多くの他の楽器よりも難しいはずだ。いつかは、ここトリノのDJとコラボできるほどにうまく吹きたいよ」
ATPファイナルズ通算40勝目、今大会準決勝進出おめでとうございます。ファイナルズの初勝利を憶えていますか?
「いい質問だ。初勝利はおそらく2008年だ。2007年が初出場だが、グループステージで3戦全敗だった。2008年はよく思い出せないな。優勝したけど、最初に誰と対戦したのか……。ガスケかな?相手は憶えていないが、初勝利だったのは憶えている。もう何十年も前の話のようだ。今でもいい思い出だ」
フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)が初勝利の相手です。
「デル ポトロか。そうだったのか。ありがとう」
ジョコビッチはラウンドロビン第3戦で、肘のケガを理由に棄権した第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)の代役として出場した第10シードのキャメロン・ノリー(イギリス)と対戦する。(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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