未だ完全解決しないジョコビッチ問題、入国申告書の嘘も発覚

写真はロッド・レーバー・アリーナで練習中のノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 月曜日の裁判でビザのキャンセルという国境警察の措置が覆されて自由の身となったかに見えたノバク・ジョコビッチ(セルビア)だが、移民大臣のアレックス・ホーク氏がその権限を使ってこの決断を覆すか否かを決めるまでまだ1日待たねばならないとオーストラリアの日刊紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』が報じた。

 入国申告書には渡豪前の14日間に旅をしていないと書かれていたがジョコビッチは12月25日のクリスマスの日にセルビアの首都ベオグラードにおり、12月30日から1月2日にはスペイン・マルベーリャにいるところを目撃されていたため申告書の嘘が発覚した。

 入国審査の書類に真実と違うことを書くことは、場合によっては大きな処罰に値する。

 また同紙はジョコビッチが12月半ばに新型コロナウイルス(COVID-19)に感染してからこの日までのタイムラインを調査して報道し、そこに感染者として良識を欠いた行動もあったため新たに世間を騒がせた。

 同紙によればジョコビッチは12月14日にセルビアのバスケットボールの試合に姿を現し、選手と写真を撮ったが翌日にその選手がコロナ陽性であることが発覚した。そのためジョコビッチは16日にPCR検査を受け、その日中に陽性の結果を受け取った。

 セルビアの規則ではコロナ陽性者は直ちに14日間の隔離に入らなければならないことになっており、つまりその期間は12月30日までとなる。ところがジョコビッチは翌日の17日にジュニアのテニスイベントに参席し、マスクもせずに子供たちと写真を撮っていることが確認されていた。また18日にはフランスの日刊スポーツ新聞『レキップ』のための写真撮影を行ったことを同紙が証言した。

 22日の検査で陰性と判定されたジョコビッチは25日にベオグラードでハンドボール選手と写真を撮り、12月31日にはマルベーリャで練習する姿が確認され、そのあと1月4日にスペインを出発してドバイ経由でメルボルン入りしていた。

 ジョコビッチの弟であるジョルジェ・ジョコビッチ(セルビア)は火曜日の記者会見でジョコビッチが12月16日に陽性と判定されたことを声高々に認めたが、翌日のジュニアのセレモニー参加を指摘されると彼は突然「記者会見は延期だ」と返し、家族はもはや質問を受け付けなかったという。

 また16日に陽性でありながら何故22日に陰性となり得るのかという疑問も浮上したが、感染が16日より前で無症状のため気付かず検査を受けたのが感染期間の半ばだった場合にはそのようなこともあり得るという専門家の意見を同紙は掲載した。

 これらの事実がジョコビッチの入国許可に影響を与えるかはまだわからないが、入国前の14日間に旅はしていないという偽りの申告に関してジョコビッチは国境警察に「自分ではなくテニス・オーストラリア(豪州テニス協会)が自分に代わって申告書に書き込んだ」と主張しているという。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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