32歳の誕生日にコルネが13年ぶりのオーストラリアン・オープン4回戦へ「これ以上は望めない」
今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、アリゼ・コルネ(フランス)が第29シードのタマラ・ジダンセク(スロベニア)を4-6 6-4 6-2で倒してベスト16に進出した。
コルネは次のラウンドで、ダンカ・コビニッチ(モンテネグロ)を6-2 6-1で破って勝ち上がった第14シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と対戦する。
ハレプはケガにより昨年後半は戦列を離れて世界ランをク15位まで落としたが、復帰してからは順調に勝って今季開幕戦のひとつだったメルボルンの大会で2020年9月以来の優勝を飾ってこの大会を迎えた。今大会でもこの日の3回戦を含め、1セットも落とさず勝ち上がってきている。
現在61位のコルネはガッツと闘争心には定評のある中堅選手で、時折ではあるが大きな勝利をやってのける。フランス国内ではときどきヒステリーを起こすことでも知られ、ある大会で観客席にいたボーイフレンド兼コーチの声援に対して「黙れ。ここから立ち去れ!」と怒鳴り、自分のチームスタッフを実際に追い出した一件でメディアを苦笑いさせていた。
またSNSでも積極的に自分の意見を発信しており、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック中にノバク・ジョコビッチ(セルビア)がチャリティ大会とパーティを行った際にはその行為に疑問を投げかけた最初の選手でもあった。
2回戦で第3シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を倒す金星を挙げてここに至ったコルネは今、自信を膨らませつつある。フルセットの末にジダンセクを退けたあと、彼女は「グランドスラム大会のベスト16よ。興奮でゾクゾクするわ。まだピンとこないけど、凄くいいパフォーマンスだった。信じることが必要なの。テニスでは何だって起こりえるわ」と喜びを隠さなかった。
「最初にやってのけたときから13年が経った今、グランドスラム大会の2週目をプレーする。それも自分の誕生日(コルネは1月22日に32歳になった)によ。これ以上は望めないわ」
19歳の若手だった2009年、コルネは一度オーストラリアン・オープンで4回戦進出を果たしていた。この13年に視線を向け、コルネは「美しい物語だわ。13年後に同じ成績を出すことができるなんて。あのときの私はティーンだったけど、今はもうベテランね」と語った。
「でも私は変わっていない。同じくらいプレーを愛し、変わらぬ情熱を持って常に身を粉にして戦う…。マッチポイントのあとの喜び、あの感動は本当に素晴らしいわ。だからこそ私はプレーを続け、自分の限界を押し広げ続けているのよ」
これが自分にとってツアーを回る最後の年になるかもしれないという考えが頭をよぎっていたことを明かしていたコルネは、「アデレードでは本当に酷いプレーをしたけど、グランドスラム大会2週目に残れて本当に幸せよ。これが私の最後の年かもと考えるようになって以来、私はすべてを子供のような目で見ているの。コートにいる瞬間を楽しみ、もう会わなくなるかもしれない他の選手たちと時間を分かち合い、テニスに関わるすべてを特別だと感じているわ」と今の心境を説明した。
「試合に勝つのが好き。ムグルッサ戦や今日もそうだったように、勝ったときにコートで感じるあの感動が大好きよ」というコルネのグランドスラム大会での最高成績は4回戦進出で、一度も準々決勝に到達したことはない。
4回戦より先に進むことを夢見ているかと聞かれたコルネは、「当然よ。でもそれは夢ではなく、妥当な野望だわ。夢というのは空想的で、決して実現しないようなことを指すの。グランドスラム大会で4回戦以上に勝ち上がるというのは、19歳のときにも考えていたわ」と答えた。
「でも準々決勝にいけなくても、病気になる訳ではないわ。私は自分のキャリアを誇りに思っている。(2020年)USオープンの4回戦で負けたときには辛かったけど、仕方ないわ。勝ち上がれば上がるほど、負ける痛みは大きくなる。でも私は自分にトライするチャンスを与えられていることをうれしく思っているの。うまくいかなかったらまた再トライするだけよ。決して諦めはしないわ!」
写真◎Getty Images
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