「平和への願いを込めて白いウェアにした」イエストレムスカを称えるボグダン [リヨン・オープン]

2021年フレンチ・オープンでのアナ・ボグダン(ルーマニア)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「シジエム サンス・メトロポル ド リヨン・オープン」(WTA250/フランス・リヨン/2月日28~3月6日/賞金総額23万9477ドル/室内ハードコート)の女子シングルス1回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したデヤナ・イエストレムスカ(ウクライナ)に敗れたアナ・ボグダン(ルーマニア)が自身のインスタグラムを更新し、心温まるメッセージを送った。
 
「私の気持ちを皆と共有したいと思う。自分の感情や気持ちを抑えるという意味では、キャリアの中で一番難しい試合だった。試合中にあまりに大きな声で叫んでいたなら、ごめんなさい。でも、それは相手のデヤナに対するものではなかったの。どのポイントも、彼女に対するものではなかった。私たちは誰でも、バトル、恐れ、考え、疑念に対して戦わなければならない。特にテニスの試合では何よりもまず自分との戦いがあって、何年もかけて努力して自分の夢を叶えるためには、すべてを出し尽くして成長し続けないといけない。でも、昨日の試合はまったく別のストーリーだった」

「私は彼女や彼女の国の人々のストーリーを自分の中に抱えなければならなかった。自分を鼓舞していいショットが打てたときは素直にうれしかった。これは大会だから勝ちたい気持ちだったけど、それと同時にフェアではないとも感じていた。テニスの試合の先にあるものから目を逸らす訳にはいかなかった」

「私たちが忘れてならないのは、何よりもまず自分たちが人間であり、お互いのことを思いやり、親切にし合うべきだということ。彼女、彼女の妹と家族が今経験していることは、想像することしかできない。昨日の試合では彼女が勝利に値した。本当に素晴らしい競った試合で、どちらが勝ってもおかしくなかった。1ポイントの差で、私が勝つ可能性も十分にあった。最後は彼女が勝利を引き寄せた。彼女は、彼女自身、家族、その国のためにも勝利に値した」

「彼女はまだ21歳なのに、本当に強くてパワフルな人。私は平和への願いを込めて白いウェアを着用した。私は平和を祈っている。今起きている悪夢が早く終わって欲しい。私たちはみんな平和の中で、愛と光の中で生きるべきなのだから。最後に、これほど強烈な試合を経験させてくれた神様に感謝したい。神はどちらの選手にとっても完璧なプランがあったみたいね。だから、毎日どんなときも神を信じている。ありがとう! すべての人に愛を込めて!」

 これに対してイエストレムスカも「すべてのウクライナ人を代表してありがとう。忘れられない1日、瞬間だった」とメッセージを返している。

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