「戦争で仕事がないから、私が勝って仕送りをする」ウクライナに家族を残すザワツカ
ロシアによるウクライナ侵攻が始まったと聞いたとき、カタリナ・ザワツカ(ウクライナ)は1週間はラケットを握る気にならなかったという。ウクライナにいる家族の安全が気になり、プレーどころではなかった。
しかし、今はプレーすることへの罪悪感から解放された。むしろ、プレーすることが義務だと感じている。ザワツカはインドのメディア『OUTLOOK』に語った。
「今、自分にできるのはテニスで賞金を稼いで家族に仕送りすること。ウクライナにいる家族は誰も仕事ができないのだから。みんな家にいるけど、仕事どころではないの」
侵攻が始まった当初、アメリカで大会のために準備をしていたザワツカは30分ごとに電話をかけて、家族の安否を確認していたという。
「毎日、両親や親戚に電話して、生きているのかどうか確認していた。こんなことをしているのが正しいのかわからない。でも、それが真実なの」
ザワツカの父は、元々一緒にツアーを転戦する予定だった。だが戦争が始まり、予定通りにはならなかった。父はまず家族の女性たちを、ザワツカがオフシーズン中に練習するために借りているフランスのアパートに避難させた。自身はウクライナ西部のリヴネに残り、他の家族の男性とともに国を守るために戦っている。
「女性にとって、夫を残して出ていくのは大変なこと。私の従姉妹は妊娠していた。5歳の姪もいる。男性がいない中で、女性たちは独りで行動する訳にはいかない」
ザワツカはテニスに集中するのが難しかったと語る。
「侵攻が始まって1週間は、何も手につかなかった。周囲にいる人たちは普通に音楽を聴き、笑って、おしゃべりして、普通に生きている。人には普通に生きる権利があるけど、自分も同じように普通に過ごすことはできなかった」
ザワツカは4月15日と16日に、ダイアナ・イエストレムスカ、ナディヤとリューメラのキッシャノック姉妹とともにウクライナ代表として、ノースカロライナ州のアシュビルで開催されるビリー ジーン・キング・カップのファイナルズ予選でアメリカと戦う。自身のインスタグラムでその準備の様子を投稿している。
写真◎Getty Images
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