注目の3回戦はシナーに軍配、ルブレフはメンタルの不安定さを露呈 [モンテカルロ・マスターズ]

写真は試合中にマメの治療を受けるヤニク・シナー(イタリア/右)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月10~17日/賞金総額580万2475ユーロ/クレーコート)の男子シングルス3回戦で、第9シードのヤニク・シナー(イタリア)が第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を5-7 6-1 6-3で倒してベスト8進出を決めた。

 ふたりはこれが3度目のマッチアップだったが、シナーが2勝1敗と勝ち越した。クレーコートでは昨年5月にバルセロナの準々決勝で顔を合わせ、シナーが6-2 7-6(6)で勝っていた。

 注目の一戦はルブレフがオープニングゲームをブレークして好スタートを切ったが、5-4からブレークバックを許した。しかし素晴らしいウィナーのあとに簡単な決め球をネットにかけるなど安定感を欠いたシナーは次のゲームをキープできず、最後も組み立てで優位に立ちながら自らのミスでポイントを献上し、非常に拮抗した展開となった第1セットはルブレフが先取した。

 第2セットもルブレフのブレークで始まったが、異変が起きたのは第2ゲームの最中だった。ゲーム中にもかかわらず主審がシナーのためにトレーナーを呼ぶ連絡を取ったことに気持ちを煩わされ、クレームをつけたルブレフはこの一件で完全に集中力を失ってしまった。フランス人よりもイタリア人の観客が多いと言われるモンテカルロでシナーへの一方的な応援が沸き上がる中、ルブレフは弱点でもあるメンタルの不安定さのせいで崩れ、墓穴を掘ってしまった。

「ここでのプレーは本当に特別だ。観客席には多くのイタリア人たちがいる。信じられないような雰囲気だったよ」と勝利後のオンコートインタビューでシナーは自分に熱い応援を送り続けた観客たちにお礼を言った。

 シナーは準々決勝で、第13シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を6-2 7-5で破って勝ち上がった第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。

 第1セットで25本という多くのアンフォーストエラーを犯していたこともあり、シナーは試合後の記者会見で足のマメの状態について尋ねられた。彼は前週のマイアミで8強入りしたが、足のマメを理由に準々決勝で途中棄権を強いられていた。

「マメは今、だいぶよくなった。準々決勝では問題にならないと思う」とシナーは説明し、「ちょっと治療しなければならないのは確かだけど、まあ様子を見てみよう。明日は重要な試合だ」と言い添えた。

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写真◎Getty Images

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