新鋭ダビドビッチ フォキナがマスターズ大会で初の4強入り「準決勝進出の感動は本当に大きい」 [モンテカルロ・マスターズ]
ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月10~17日/賞金総額580万2475ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で22歳のアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)が第10シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を2-6 6-4 6-3で退け、同大会で初のベスト4進出を決めた。
2回戦で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒したスペインの新鋭はここモンテカルロでいい成績を挙げており、昨年も準々決勝に進出していたがステファノス・チチパス(ギリシャ)に対して5-7で第1セットを落としたあとに棄権を強いられていた。
第1セットの2-6というスコアは、内容に照らせばややシビアなものだった。第1セットでのダビドビッチ フォキナはリターンゲームのたびにチャンスを手にしていたが、それをものにすることができなかった。第3ゲームのチャンスを逃したあとに逆にブレークされて1-3とさたダビドビッチ フォキナは2-4からの5度目のチャンスをミスで逃したあと、最後は4度のデュースを繰り返した末にブレークされていた。
「第1セットでは多くのブレークチャンスを掴みながらものにできなかったけど、集中し続けて自分のテニスをし、自分を信じてベストを尽くせばきっとやってのけられるとわかっていた」と振り返った通り、ダビドビッチ フォキナはそれを第2セット4-4からやってのけた。
バックハンドのクロスラリーからダウン・ザ・ラインを決めて8つ目のブレークポイントをついにものにしたダビドビッチ フォキナは、次のサービスゲームでフリッツの反撃に遭いながらも耐え抜いて第2セットを奪取した。
フリッツはよりシャープなグラウンドストロークと賢明な組み立てを駆使して幾分優位に立っていたが、第3セットも半ばになると疲れを見せ始めた。3-3からの第7ゲームで相手の珍しい平凡なミスのおかげもあってブレークに成功したダビドビッチ フォキナは5-3から往年のボリス・ベッカー(ドイツ)を彷彿させるダイビングリターンで厳しいサービスを何とかネットの向こうに返し、フリッツがグラウンドスマッシュをネットにかけてついにマッチポイントが訪れた。
次のポイントをミスで逃したものの、2度目のマッチポイントでダビドビッチ フォキナは長いラリーをフォアハンドから放った渾身のダウン・ザ・ラインでとどめを刺し、一瞬信じられないといった表情を見せてから両手を上げて勝利を祝った。
「本当に、本当に幸せだ。昨年の大会で僕は準々決勝に進出し、今回はさらに一歩先に進めた。準決勝進出の感動は本当に大きい。僕はすべてのゲーム、すべてのポイントを楽しんでいる」とダビドビッチ フォキナは勝利後に喜びを吐露した。
世界ランク1位のジョコビッチに勝った事実からくる影響を聞かれたダビドビッチ フォキナは、「世界1位の選手を倒せば、フィジカル的にもメンタル的にも、また技術的にも大きな自信を得られる」と答えた。
「そして僕は毎試合をより激しく戦うため、自分を駆り立て続けているんだ。今日は勝てて凄くうれしいし、明日の戦いに向けた準備はできている」
世界46位のダビドビッチ フォキナは、準決勝で第11シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)を6-4 3-6 7-6(2)で破って勝ち上がった同29位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。
最終セット5-4から自分のサービスゲームで試合を終わらせることができなかったフルカチュは、フラストレーションからラケットをコートに叩きつけた。もつれ込んだタイブレークではフルカチュのミスがやや早くなり、最後はバックハンドのリターンがネットにかかって2時間27分の戦いに終止符が打たれた。
写真◎Getty Images
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