チチパスの父、アポストロス氏が語るステファノス

写真はロレックス・モンテカルロ・マスターズで2連覇を決めたあと喜びを分かち合うステファノス・チチパス(ギリシャ/左右)と父アポストロス氏(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月10~17日/賞金総額580万2475ユーロ/クレーコート)の男子シングルスでステファノス・チチパス(ギリシャ)が2連覇を達成した日にチチパスの父でありコーチのひとりであるアポストロス・チチパス(ギリシャ)がATP(男子プロテニス協会)の取材に応じ、息子が11歳だった頃の思い出を語った。

「北フランスのノルマンディー地方に行き、彼はそこでジュニア大会のマスターズで優勝したんだ。彼がジュニアのフランスツアーに出場したいと頼んできて、そこで4大会のマスターズに勝ったんだ。彼はベストプレーヤー8人のひとりでマスターズで優勝したんだが、ギリシャに帰る前夜、彼は眠っていなかった」とアポストロス氏は回顧した。

「彼はこの上なく興奮していて、私のところにやってくると『テニスコートで本当に素晴らしい気分だったから、テニスだけをプレーして他のことは何をしなくてもいいか』と尋ねたてきたんだ」

 当時高校教師だったアポストロス氏は、生徒たちとの経験が息子が何を言いたいのかを理解するのに役立ったと明かした。ある日このようなことを言うというのは、“それ”を自分の中に持っているからだと彼は信じている。

「そんな訳で私にとって難しかったのは、この夢とテニスをプレーしなければならないというその意志から、彼のベストを引き出すということだったんだ」

 チチパスは最近、彼のチームに元世界ランク4位のトーマス・エンクイスト(スウェーデン)を招き入れた。モンテカルロ決勝で彼のボックス席にいたパトリック・ムラトグルー氏はまだ若かったチチパスを自分のアカデミーに招いた人物で、チチパスはヨーロッパで大会があるときには今でも彼のアカデミーをベースに練習し、父や弟など家族もそこに拠点を持っている。そして何よりステファノスの家族、特にアポストロス氏はほぼいつもと言っていいほど息子の試合に帯同している。

「彼のキャリアで、両親がそばにいるということはとても重要だった。四六時中旅行しているというのは非常に厳しい生活だからね。毎週毎週旅するのは大変なことだ。ある時点で、自分の人生で何が起こっているかの方向性を失い始めてしまう」とアポストロス氏は指摘した。

「でも家族がそばにいれば…。今週の出来事が証明しているように家族の皆がそばにいれば――我々は今、南フランスに住んでいるからね――、彼にとってずっと心地よい環境になり、彼は我が家にいるように感じることができる。それが彼に更なる力を与えるんだ」

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写真◎Getty Images

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