2021年6月以来のツアー復帰戦を飾れずもティームは戦いぶりに手応え [セルビア・オープン]

写真は約10ヵ月ぶりのツアー復帰戦で惜敗したドミニク・ティーム(オーストリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「セルビア・オープン」(ATP250/セルビア・ベオグラード/4月18~24日/賞金総額59万7900ユーロ/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、右手首のケガで昨年の6月から戦線を離れて今大会からツアー復帰を果たしたドミニク・ティーム(オーストリア)がジョン・ミルマン(オーストラリア)に3-6 6-3 4-6で敗れた。

 クレーコートが得意なティームにとっても、1年近いブランクを埋めるにはそれ相応の時間が必要なようだ。言うまでもなくまだ本調子ではないティームは、それでもその2時間35分の戦いの間に持ち前の能力を垣間見せた。

 競りあった末に敗れはしたが、ティームは「気分はいい。実際、僕は本当に幸せだよ。いい戦いだったからね」とティームは明るい表情で振り返った。

「自分のファイト、ディフェンス、動きには満足しているよ。バックハンドはかなりよかった。フォアハンドはまだいいレベルではないけど、それはわかっていたことだしね。僕はフォアハンドをよりよくしていくため、練習しているところなんだ」

 3月にスペイン・マルベーリャで開催されたツアー下部のチャレンジャー大会に出場して初戦敗退を喫していたティームはこの日、復帰後初めてセットを奪取した。ティームは今、焦らず一歩一歩進んでいこうと心を決めている。

「ここではあまり多くを期待してはいなかったし、来たる3週間に関しても同様だ。僕のゴールは、ロラン・ギャロスでいい調子に持っていくことなんだ。もちろん今日は負けてがっかりしているし、本当は勝ちたかったよ。でも試合自体の内容はよかったし、長時間に渡って激しくプレーできたことを僕はかなりうれしく思っている」とティームはコメントした。

「もちろんまだ足りないもの、僕のテニスにおいてまだあまりうまくできていないことがある。でもそれは、この試合前から完全に明瞭だった」

 ティームはまた観客が戻ってきたことを喜び、「素晴らしいよ。ファンが戻ってきてこの上なく幸せだ」と語った。

「ケガの前にプレーしていたときは、コロナの影響でほとんどの大会が無観客だった。今日、ここのスタジアムは満員になっていた。次の大会が楽しみでしょうがないよ」

 この日の相手だったミルマンは試合後にティームと笑顔で握手を交わしたあと、「君が100%になったら、僕は苦労するだろうね」と声をかけた。

 試合後のオンコートインタビューでも、「ここに戻ってこれてうれしいよ。僕はここに戻ってくることを楽しみにしていたんだ。彼はケガから復帰したばかりだから、これは僕にとって最大の勝利だと言うことはできないけどね。僕自身3度の手術から戻ってきたから、それがどんなに大変かはわかっている」とティームに対する思いやりを見せた。

「ドミ(ティーム)にとって凄く大変だったことは知っている。でも彼の復帰は、テニスにとっていいことだ。特にこのサーフェスではね。彼がもっと調子を上げてフィットネスを取り戻したら勝つのが凄く大変になるだろうから、僕はここで勝っておかなければならなかった」

 ふたりはこれが4度目のマッチアップだったが、ミルマンが初勝利をマークした。5セットにもつれた2016年USオープンを含め、過去3試合はいずれもティームが勝っていた。

 ミルマンは次のラウンドで、前日に勝ち上がりを決めていた第7シードのミオミル・キツマノビッチ(セルビア)と対戦する。

 センターコート最終試合では予選を勝ち上がってきた日本のダニエル太郎(エイブル)が地元選手のドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を2-6 6-1 7-6(2)で倒す殊勲をやってのけ、勢いのある18歳のオルガ・ルーネ(デンマーク)に対する2回戦に駒を進めた。

 そのほかの試合ではダビド・ゴファン(ベルギー)を6-3 7-6(4)で倒した第8シードのフィリップ・クライノビッチ(セルビア)のほか、ラスロ・ジェレ(セルビア)とオスカー・オッテ(ドイツ)に加え、予選勝者のイリ・レヘカ(チェコ)、チアゴ・モンテーロ(ブラジル)、ロマン・サフィウリン(ロシア)が初戦を突破した。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles