バルセロナ優勝のアルカラスがトップ10デビュー、18歳11ヵ月は史上9位の年少記録

写真はバルセロナ・オープンで優勝を飾ったカルロス・アルカラス(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/スペイン・カタルーニャ州バルセロナ/4月18~24日/賞金総額280万2580ユーロ/クレーコート)の男子シングルスで優勝を遂げた翌日に18歳のカルロス・アルカラス(スペイン)が世界ランク9位に浮上し、初のトップ10入りを果たした。

 今季に入って目覚ましい成長ぶりを見せているアルカラスは質の高いプレーにメンタルと勝負強さを兼ね備え、間違いなく未来の王者に相応しいオーラを纏っている。だからこそ彼の急激なステイタスの上昇とトップ10入りは非常に早いとはいえ、もはや驚きではないはずだ。

 2020年のATPツアー初参戦以来、アルカラスは「世界1位に、グランドスラム大会のチャンピオンに、オリンピックのメダリストになりたい。僕の夢は大きいんだ」と公言していた。

「僕にはどんな限界もない。僕はこのレベルでプレーし続けたいし、この調子で続ければ登り続けるための多くの可能性を持つことになると思う。僕はもっとコートで楽しんでいたいし、まだ天井には触りたくない」
 
 アルカラスは18歳と11ヵ月20日で初めてトップ10に入ったが、これは最年少トップ10入りランキングで18歳10ヵ月のラファエル・ナダル(スペイン)に次ぐ9位に当たる。最年少の成功者が必ずしもレジェンドになるとは限らないが、過去を振り返ってみてもビヨン・ボルグ(スウェーデン)、マッツ・ビランデル(スウェーデン)、ボリス・ベッカー(ドイツ)、アンドレ・アガシ(アメリカ)、そしてナダルなどのちにグランドスラム大会を制する名選手の多くが非常に若いときにそれを達成している。

 男子プロテニス協会(ATP)が発表した最年少トップ10のランキングで史上最年少は17歳11日のアーロン・クリックステイン(アメリカ)、2位が錦織圭(フリー)のコーチであるマイケル・チャン(アメリカ)で17歳3ヵ月、3位は17歳7ヵ月のベッカーとなっている。

 昨年の男子21歳以下トップ8対決「Next Gen ATPファイナルズ」でチャンピオンに輝いたアルカラスはフォアバックとも非常に安定しており、特にフォアハンドが強力で非常にアグレッシブに打つ。それと同時にドロップショットの技術も非常に高く、緩急をうまく混ぜる能力を持っている。卓越したプレースメントが見せる通り戦術的にも賢く、サービスもいい。そして接戦や苦しい試合に勝つガッツがあり、メンタルの強さも際立っている。それに加えて他者に敬意を払い、謙虚でありながら野心的な人格もその強さの礎となっているだろう。

 他のトップ10メンバーにそれほど大きな変化はなく、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が変わらず世界1位をキープ、このところ活動を停止しているダニール・メドベージェフ(ロシア)は2位のままでアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とナダルが続き、8位までの順位は先週と変わらない。変化はアルカラスが躍進したことで9位だったフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)が10位に、10位だったキャメロン・ノリー(イギリス)は11位に下降したことだ。

 バルセロナ決勝でアルカラスに敗れて準優勝だったパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)は、前週の19位からひとつ上がって18位となった。

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写真◎Getty Images

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