「ミスする自分を許せるようになった!」シフィオンテクがシュツットガルト優勝を語る
カタール、インディアンウェルズ、マイアミ、シュツットガルトと4大会連続優勝を果たしたイガ・シフィオンテク(ポーランド)がWTA(女子テニス協会)のインタビューに応じた。
シュツットガルトの今大会を前にあまり自信がないと語っていた。
「クレーコートでプレーするのは1年ぶり。慣れるのにどのくらい時間がかかるかわからなかった。2日間の準備だけで間に合うか不安だった。初戦の前にコートで練習したのは2時間程度。ここのサーフェスは独特で難しいとも聞いていた。だから不安だったの。でも大会を通してうまく対応できたと思う。今は自分の技術、能力に自信を持ってプレーできるようになった」
今大会では体が勝手に動いてくれるような感覚だった?
「そうでもないかな。決勝では集中してゾーンに入れた。でも準決勝は苦しかったし、一本一本集中して粘らないといけなかった。毎日調子は違うものだし、いろんなことが頭を過ぎる。そんな中で集中しないといけない。難しい場面もある。でも、自分の技術、能力を生かすのは以前よりうまくなったと思う。より賢くプレーできるようになった」
連勝中で優勝候補として期待されていたけど、初めての大会で難しい状況でもあった?
「慣れなきゃいけないことだけど、期待される中でもミスはしてもいいものだし、受け入れないといけない。すべてが完璧ではなくても、以前よりも気楽にプレーできるようになった。ミスする自分を許せるようになったから。この大会、サーフェスは初めてなんだから冷静に、落ち着いて経験を積めばいいんだって自分に言い聞かせた。それでも結果は求めないといけない。その辺りをうまくコントロールできたと思う」
シュツットガルトにはチーム全員が来られなかったけど、父親が帯同できた。
「今大会にチーム全員が揃っていないことは気にならなかった。コートに立ったら一人になるのは同じから。当然、いつも頼っている人がいないと思うことはあった。戦術面では毎日コーチと話して自分の気持ち、改善点などを話し合っていたから準備は問題なかった。彼は経験が豊富で、アグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)と何度もこの大会に来ているから、彼の経験はすべて生かそうと思った」
「メンタルコーチのダリア・アブラモビッチともいろいろ話した。クレーコートシーズンに向けて自分の気持ち、不安とどう向き合い、解決法を見つけ出すか、そして何よりもこの挑戦を楽しもうという気持ちになれた。自分の姿勢、考え方をよく話し合った。全員がここに居なくても、皆一生懸命やってくれている。彼らがいなければ私は混乱していただろうし、本当に感謝している」
今、特別なことを成し遂げているという実感はある?
「自分がテニス選手ではなく、テニス観戦が好きな人だと思えれば、感じられると思う」
今大会、休養日はどんな過ごし方をした?
「1日だけオフがあったの。ホテルの部屋で平和な時間をゆっくり過ごしたかった。ここに来る直前はビリー ジーン・キング・カップがあったし、ここに来てからはサーフェスのことなど考えることがたくさんあったから。1日完全にスイッチを切って、自分の周囲で起きていることを忘れてリセットすることができた。2月のドバイから今大会までたくさんの取材があり、メチャクチャたくさんのサインを書かなければいけなくて、凄く忙しかった。この1日でうまくリカバーできたと思う。でも、これらのことはネガティブだとは思わない。自分がやらなきゃいけない新しいことだととらえている」
決勝のスタジアムは満員で多くのポーランド国旗がはためいていた。これほど有名になって応援されることに慣れてきた?
「慣れてきてはいるけど、試合中にその声援をうまく生かしたい。過去にスタンドからの応援で復活して勝利した選手を何人も見てきた。私はいつも観てくれる人たちのためにプレーしたいと思っているし、観客の前でプレーするのは自分にとっては自然なことだから、うまくできていると思う。コロナ後の数試合は観客が戻ってきて集中するのが難しいこともあったけど、それでも私は応援されるのが大好き」
ポルシェのタイカンを持ち帰れるのはうれしい?
「もちろん! 6ヵ月前に免許を取得したばかりだから、ビックリしている。早く運転したい。この大会ではテニス以外のこと、車のことなどたくさん勉強できてよかった。以前はテニスのことしか頭になかったから、とても新鮮。私のフィジオが車に詳しいから、アドバイスをもらおうと思う。私は物事を決断したり、物を選ぶのが得意じゃないから」
準決勝でボトルの水をドバドバこぼしたシーンが話題になっている。
「水じゃなくてスポーツドリンクでベタベタするから、シューズにこぼさなくてよかった。水に粉末を入れて振ろうとしてたの。一瞬、何が起きたのかわからなかった。テレビのカメラマンが見てたから、笑ってるんだろうと思った。その動画がネットで流れているみたいね。皆が見て喜んでくれるなら、よかった」
SNSでよく話題になっているね。
「中学生の頃から、仲間内では有名だったの。持って生まれた才能なのかしら? 喜んでいいのか、悲しんだほうがいいのかわからないけどね!」
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