“逆転男”ティアフォーが3つのマッチポイントを凌いで決勝進出、21歳バエスはツアー初優勝に王手 [エストリル・オープン]

写真はディフェンディング・チャンピオンを倒してツアー初優勝に王手をかけたセバスチャン・バエス(アルゼンチン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ミレニアム・エストリル・オープン」(ATP250/ポルトガル・エストリル/4月25日~5月1日/賞金総額59万7900ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準決勝で、第5シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)が3つのマッチポイントを凌いだ末に第8シードのセバスチャン・コルダ(アメリカ)との同胞対決を4-6 7-6(2) 6-4で制して今季初優勝に王手をかけた。

 今大会に初めて出場した2018年に準優勝を飾っているティアフォーは決勝で、21歳のセバスチャン・バエス(アルゼンチン)と対戦する。バエスはディフェンディング・チャンピオンだった第6シードのアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)を6-3 6-7(7) 6-0で振りきり、ツアー初タイトルまであと1勝と迫った。

 ティアフォーは試合開始早々3-1とリードしたが、そこから巻き返したコルダが第1セットを先取した。勢いに乗ったコルダは第2セットも5-2として相手のサービスゲームで30-40と最初のマッチポイントを掴んだが、逆クロスに渾身のフォアハンドを叩き込んだティアフォーが勇敢なプレーでこの危機を回避した。

 次のサービスゲームも落として5-4と詰め寄られたコルダは続くレシーブゲームで更に2度マッチポイントを手にした。しかしまったく怯む様子のないティアフォーはコルダのミスとフォアハンドのエースでまたも凌ぐと、タイブレークの末に第2セットをもぎ取った。

 最終セットはその勢いに乗ったティアフォーが4-1とリードしたが、コルダもここから奮起して4-4と追いついた。しかしティアフォーは5-4からラブゲームでブレークして勝利を掴み、コルダとの対戦成績を3勝0敗とした。

 前日に行われた第6シードのアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)に対する準々決勝でも劇的な逆転勝利をおさめていたティアフォーは、「厳しい戦いになることはわかっていた。セバスチャン(コルダ)は今週、皆をやっつけてきたからね」と試合後にコメントした。

「彼はエネルギーに満ちた状態で、足もよく動くだろうとわかっていた。僕のスタートぶりはかなりよかったけど、そのあとサービスがよくなかった時間帯があった。間違いなく、観客の応援が頑張り続ける力を与えてくれたよ」

 決勝の相手となるバエスは勝つたびにテレビカメラに「WHY NOT ME?(僕でない理由があるかい?)」と書いていた。これはティアフォーがこう書かれたブレスレットをしているのを見かけたバエズがこの言葉を非常に気に入り、自分のモットーにしてカメラに書いていたのだという。

「数日前に、ロッカールームで彼が僕にそのことを言ってきたんだ。あまりに長いこと身に着けてきたから、最初は彼が何を言ってるかわからなかったほどだよ」とティアフォーは明かした。

「今日の試合で彼(バエス)が勝ったあと、僕は彼にまた『WHY NOT ME?』と言ったんだ。どんなものであれ、インスピレーションっていうのは大事だ。自分を信じるというのが最大のことだと僕は思う。周りの誰が信じなかったとしても関係ない。でも自分が自分を信じなかったら、人生で遠くまではいくことは難しいからね。彼はきっと大いに自分を信じているのだろうけど、明日はあまり自分を信じないことを願っているよ!」

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写真◎Getty Images

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