マレーがウインブルドンで完敗したシャポバロフに雪辱、ジョコビッチが待つ3回戦へ [マドリッド・オープン]

写真はアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/5月1~8日/賞金総額749万9290ユーロ/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)が第14シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)を6-1 3-6 6-2で倒す殊勲をやってのけた。マレーが2試合連続で勝ったのは、準優勝を飾った1月のシドニー以来となる。

 9ヵ月前にウインブルドンの3回戦で初対決したとき、マレーはシャポバロフに対して3セットで8ゲームしか取れなかった。倒れても這い上がり続けるマレーの執拗な努力は、復帰に向けた険しい道のりの過程で少しずつ彼を前進させている。

 今大会にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したマレーは次のラウンドで、ガエル・モンフィス(フランス)を6-3 6-2で破って勝ち上がった第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。

「理論的に言えば、僕に勝つチャンスはないだろう。彼は世界1位であり、僕は金属製の人工股関節でプレーしている。だからその試合で僕にチャンスはないはずだ」とマレーは試合後の記者会見でコメントした。彼は股関節の問題に苦しみ2度の大きな手術を受け、最終的に金属製の人工股関節を入れて競技に復帰した。

「僕にとっては自分のテニスがどの位置にあるか見るいい機会であり、彼とふたたびプレーする機会でもある」

 2016年末にマレーが世界ランク1位になったとき、彼はその座をジョコビッチから奪った。ふたりはかつて、真のライバル同士だったのだ。

「僕たちは何年にも渡り、大舞台で本当に多くの戦いを繰り広げていた。僕たちは4つのグランドスラム大会すべてで決勝を戦った。ここでも決勝でプレーしたけど、もう長いこと彼と対戦する機会はなかった。そのチャンスがもう一度あるのかさえわからなかった訳だから、僕はこの試合を楽しむつもりだ。試合で素晴らしい姿勢を持ち、全力を尽くして自分がどこにいるか見てみるよ」とマレーは久しぶりのライバル対決について話した。

 今シーズンのマレーはベストの状態に近いプレーを時折披露していたが、同じレベルを維持することができないでいた。

「僕はここ4~5週間、懸命に練習を積んでテニスの調子を整えてきた。僕の動きは年頭よりもずっとよくなり、それが僕のテニス全体に大きな違いを生んだんだ。動けるおかげで、プレーしながら違った決断を下せるようになった。今夜の僕は、動きのよさのおかげで勝ったんだ。いいディフェンスで多くのポイントを守ることができ、それが勝利をもたらした。そのことについては凄く満足しているよ」とマレーは試合後に語った。

 ジョコビッチは長年に渡ってしのぎを削ってきたライバルのマレーについて、「彼の動きは日に日によくなってきている。彼はテニス界にとって重要なプレーヤーだから、そんな様子を目にできるのは素晴らしいことだ。彼はグランドスラム大会で何度か優勝したりオリンピックでも金メダルを獲得し、世界1位になることで我々のスポーツの歴史に名を刻んだ」と話し、旧友の過去と今を称えた。

「未だに戦っている彼を観ることができるというのは、テニス界にとって素晴らしいことだ。手術を含め、彼がここ数年に潜り抜けてきたことを考えれば、時間の経過とともに彼が高いレベルでプレーするようになってきているという事実は感動的なことだ。彼の回復力や闘志には、僕も本当に刺激を受けているよ」

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写真◎Getty Images

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