シナーが苦境を乗り越え初戦突破、マッチポイントを凌いでの勝利は今季4度目 [マドリッド・オープン]

写真は3つのマッチポイントを凌いで初戦を突破したヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/5月1~8日/賞金総額749万9290ユーロ/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、第10シードのヤニク・シナー(イタリア)がトミー・ポール(アメリカ)を6-7(4) 7-6(4) 6-3で倒して苦境を乗り越えた。

 第1セットを5-2とリードしながらタイブレークの末に落としたシナーは、第2セット2-5とされて窮地に立たされていた。しかし3-5から2つのマッチポイントをセーブしてブレークバックしたシナーは5-6からのサービスゲームで30-40のピンチを凌ぎ、もつれ込んだタイブレークを制してセットオールに追いつくと第3セットでは第4ゲームでブレークしたリードを守りきって3時間の激闘を締めくくった。

「もちろん、非常に厳しい状況だった。第1セットで僕は5-2でリードしていたのに、巻き返されてセットを落とした。彼は非常にいいタイブレークを戦ったと思う。僕は最初にいくつかのアンフォーストエラーを犯し、第2セットも調子の波が激しかった」とシナーは試合を振り返った。

「それでも何とか2回戦に駒を進めることができてよかったよ。本当に厳しい試合だった。次の試合がどうなるか見てみよう」

 今季ここまでデビスカップを含む7大会でプレーしたシナーがマッチポイントを握られながら勝利を掴んだのは、これで4度目となる。彼は2月のドバイ(ATP500/ハードコート)1回戦、3月のマイアミ(ATP1000/ハードコート)でも2回戦と3回戦でマッチポイントをセーブして勝っていた。

 オーストラリアン・オープンで準々決勝に進出したシナーはATPマスターズ1000のマイアミとモンテカルロでも8強入りしたが、今季はまだ準決勝に進出することができていない。マイアミでの彼は足のマメが原因で、準々決勝で途中棄権を強いられていた。

 今大会に初めて出場した昨年の大会で2回戦敗退に終わっていたシナーは、ポールに対する逆転勝利が勝ち進んでいくためのきっかけになることを願っている。

 このところ多くの逆転劇を演じているシナーはどのようにして挽回に成功しているのかと尋ねられ、「僕はただ、『その瞬間』に集中しようとしている。起きてしまったことは何ひとつ変えられないからね」と答えた。

「今は自分のレベルについて考えているんだ。自分のベストパフォーマンスのひとつだったとは思えないからね。次のラウンドではもっとレベルを上げたいと思っているよ。だけどもちろん、難しい相手に対する厳しい試合を勝ち抜くことができてうれしいよ」

 シナーは次のラウンドで、ペドロ・マルチネス(スペイン)を7-6(2) 1-6 6-3で破って勝ち上がったアレックス・デミノー(オーストラリア)と対戦する。

 この日プレーしたシナー以外のシード勢は第9シードのキャメロン・ノリー(イギリス)、第13シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、第14シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)が揃って2回戦に駒を進めた。

 注目されたグランドスラム優勝経験者同士の対決は、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したアンディ・マレー(イギリス)がドミニク・ティーム(オーストリア)を6-3 6-4で退けた。

 そのほかの試合ではグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、ガエル・モンフィス(フランス)、ニコラス・バシラシビリ(ジョージア)、アレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)に加え、ダビド・ゴファン(ベルギー)、ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)、ドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)の予選勝者3人とワイルドカードで出場したルカ・プイユ(フランス)が初戦を突破した。

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写真◎Getty Images

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