「僕はケガとともに生きている」とナダル、シャポバロフが前年の雪辱に成功してベスト8に進出 [イタリア国際]
ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月8~15日/賞金総額600万8725ユーロ/クレーコート)の男子シングルス3回戦で、第13シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)が第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)を1-6 7-5 6-2で下してベスト8進出を決めた。
昨年の同大会3回戦で2つのマッチポイントを手にしながら第3セットのタイブレークで敗れていたシャポバロフは雪辱を誓っていたが、試合は思っていたものとやや違っていたかもしれない。試合終盤のナダルは、明らかにどこかを痛めた様子でほとんど動けなくなっていたからだ。
第1セットはナダルが圧倒したが、第2セットではよりよいプレーを見せたシャポバロフが取り返した。第3セット第1ゲームをブレークされたシャポバロフは直後に追いつくと2-2から最後の4ゲームを連取したが、セットの出だしからナダルが足に問題を抱えている様子であることは明らかだった。
ナダルは第3セット2-2あたりからほとんど動けなくなり、シャポバロフが次々と得点を重ねた。恐らくナダルでなければ棄権していたのではと思われるが、途中棄権を嫌う彼は最後まで試合を敢行した。
「またも足に強い痛みが出た。僕はケガとともに生きている選手だ。何も目新しいことではない。それは常にそこにあるんだ。不運なことに、僕の毎日は難しいものだ。ときに状況を受け入れるのは難しい。今日は第2セットの途中から痛みが出始め、そのあとはプレーできなくなってしまった。デニスを称えるべきだ。今日は彼のための日だった。彼はよくやったよ」とナダルは試合後の記者会見で語った。
「いい感じで試合を始めたから、痛みが出てしまったことは残念だ。ポジティブなこともたくさんあったけど、これが起きてしまうと全部が台無しになってしまうんだ。状況を受け入れて戦うしかないよ…」
第2セットでのシャポバロフはラリー戦で張り合えるようになり始め、7度のデュースを繰り返した末に3つのブレークポイントを凌いで第1ゲームをキープしたあと、次のゲームで初のブレークに成功した。
この時間帯が重要だったと考えるシャポバロフは、「僕は何かを変えようとしていた。試合の序盤には、彼が完全に僕を圧倒していた。第1セットと第2セットの出だしは、とにかく食らいついているだけだった。その状況を逆転することができて本当にうれしいよ」と振り返った。
一時1-4とリードされたナダルは巻き返して4-4に追いついたが、第2セットが進むにつれてレベルを上げたシャポバロフに対してナダルは体の問題に苦しみ始めた。ナダルは5-6で迎えた自分のサービスゲームでフォアハンドのミスを3本とダブルフォールトを犯し、ゲームとセットを相手に手渡してしまった。第3セットに入ると痛みの影響がより顕著になり、シャポバロフは走れないナダルを容赦なく叩いた。
「子供時代、僕は彼の大ファンだった。彼のプレーを本当に何度も観たよ。子供のときの僕は彼のようにプレーしたがり、彼のように振る舞おうとしていたんだ。だから彼のことは凄く尊敬しているし、彼がロラン・ギャロスまでに体調を取り戻せるよう祈っている」とシャポバロフはコメントした。
この問題が5月22日から始まるフレンチ・オープンに与え得る影響について尋ねられたナダルは、「これから数日で何が起こるかわからない。1週間後に体がどうなっているか、まったく予想できない。練習するのがいいのか休むべきなのか、今はまだ判断できない。僕にはあと1週間と少しで大きな目標(フレンチ・オープン)がある。その目標を夢見続けるよ」と答えた。
「僕に必要な最初のことは、練習するときに痛みを感じないようにすることだ。フレンチ・オープンにはドクターに帯同してもらうつもりだから、助けになるだろう。ここローマは大好きな大会だから、今日は悲しい気持ちだ。調子がいい日も悪い日も、すべてのことをしっかり評価して前向きにやっていくしかない。今の状態を受け入れて、前へ進むしかない。簡単ではないときもあるけどね」
シャポバロフは次のラウンドで、ジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)を6-3 6-4で破って勝ち上がった第5シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)と対戦する。両者は昨年5月にクレーコートで開催されたジュネーブの決勝で一度顔を合わせており、ルードが7-6(6) 6-4で勝っていた。
「キャスパーは非常に難しい相手だ。彼とは一度しか対戦したことがないけど、そのときは彼が勝った。彼はほとんど弱点がない選手だから、僕にとってはまたもやり甲斐のあるチャレンジとなるだろうね」とシャポバロフは次戦を見据えた。
写真◎Getty Images
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