「テニスができる時間は限られている」痛み止めを飲んで出場する大坂なおみ [フレンチ・オープン]

フィリップ・シャトリエコートでの練習中に左手打ちを見せる大坂なおみ(フリー)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)のメディアデーで、昨年は記者会見を拒否して大会を途中で棄権した大坂なおみ(フリー)がアマンダ・アニシモワ(アメリカ)との1回戦への意気込みを語った。

パリに戻ってきてどう?

「他の大会とは違う感じ。戻ってきてうれしい」

どんな違いがある? ケガもあったが、大会への準備はどうだった?

「少し皮肉なのは、クレーコートシーズンに向けて一番多くの時間をかけて準備しているのに、ローマを棄権、マドリッドでもいい成績を残せなかった。でも、おかげで少しヨーロッパを旅できた。マドリッドのあとはマヨルカに行って、ローマのあとはニースに行き、モナコでは格好いい車をたくさん見かけた」

ヒッティング練習などしっかりできた?

「この大会は欠場する訳にはいかないもの。だからいろんなことに対処しないといけない。でも実際は痛み止めを飲んで出場する。これまで何度も痛みを抱えながらグランドスラム大会を戦ってきた。オーストラリアン・オープン決勝(2019年)でペトラ・クビトバ(チェコ)と対戦したとき、腰の状態が物凄く悪かった。だから、もしかしたらケガを抱えていても凄くいいプレーができるかもしれない。失う物が何もないと思えるから」

どうしてもこの大会に出る理由は? 万全の状態でないのに?

「私がテニスをできる時間は限られていると思うから、できる限りプレーしたい。重いケガを抱えているけど、どうしてもこの大会に出たいという選手がたくさんいる。だからこれくらいのケガで欠場したくない。小さい頃にテレビで観ていたグランドスラム。この大会に出ることは今も大きな誇りだから」

1回戦の相手は誰かわかっている?

「2時間前にウィムコーチが教えてくれた」

直近のグランドスラム大会で敗れた相手に1回戦で当たるのは不思議だ。聞いたときはどんな気持ちだった?

「最初はウィムが冗談を言っているだけかと思った。でも、何試合かプレーして相手が個々のコートに慣れてから対戦するより、1回戦で当たったほうがいい。前回対戦の結果はどちらにもプラスになる。負けたけど2つマッチポイントがあったのは自分にとってはポジティブ。彼女がクレーコートが好きなのかわからないけど、数年前この大会で準決勝まで勝ち上がっている。だからオーストラリアで一度対戦して慣れているのはプラスになる。以前、インディアンウェルズのエキシビションマッチでボコボコにされたのは憶えている。しっかり戦いたい」

アニシモワに苦手意識はあるのか。

「彼女と対戦したとき、苦手だと思うショットは特になかった。でも、たまに物凄いショットを打ち込んでくるから、どうしようもなくて笑うしかなかった。彼女のサービスリターンは素晴らしいと思う。凄くいいサービスを打ったのにウィナーで返されることもあった。まぐれではなく、彼女がしっかり狙って打っているのもわかった。苦手意識はないけど、もっと強くならなきゃいけないとは思う。彼女のように強い選手と対戦すると自分も上達するから、強い選手との対戦はいつでも嬉しい」

どちらが有利か。

「私のほうが重いボールを打てるから、クレーコートで彼女と対戦することは私にとって有利だと思う。でも、何でいま自分の戦術を言っちゃったんだろう? 私は一度敗れた相手との再戦で燃えるタイプ。前回の試合からもしっかり対策を考えている。だから試合を楽しみにしていて!」

ドロー抽選会の日を間違えていた。

「数日前に見た夢では、私はイガ・シフィオンテク(ポーランド)と対戦することになっていた。ノーシードで出場するなら、誰と一番当たりたくないかを考えていて、真っ先に思い浮かんだのがイガだった。現実にならなくて本当によかった! そのあとはドローのことは完全に忘れていた。昨日発表されたこと自体忘れてて、今日かと思っていた」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles