「1年前の記憶を呼び覚まし、連覇できると信じている」ジョコビッチが抱負を語る [フレンチ・オープン]
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)で大会連覇を目指すノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、大会前に意気込みを語った。
1回戦で西岡良仁(ミキハウス)に勝てば、そのあとは同じブロックにラファエル・ナダル(スペイン)、カルロス・アルカラス(スペイン)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がいて、準決勝で戦う可能性がある。ドローは見た?
「見たよ。すべての選手がドローを見て準備すると思う。直近の試合に集中する以外できないけどね。とてもタフなドローだが、自分の力ではどうしようもない。西岡との1回戦でいいプレーをすることに集中している」
昨年は『キング・オブ・クレー(クレーコートの王者)』のラファに勝って優勝した。今大会の自分とラファをどう見ている?
「ロラン・ギャロスとクレーコートについて話すなら、過去の実績を見ればいつだってラファが優勝候補の筆頭になる。この4~5ヵ月間の男子テニス界を見ると、アルカラスも主役になるだろう。あの若さで素晴らしい成績を残し、ランキングも急上昇した。そんな中で自分はいつもグランドスラム大会のトロフィーを懸けて戦っている。テニスでもっとも権威のあるトロフィーを求めて、自分の能力を信じて戦っている。ディフェンディング・チャンピオンとして連覇できると信じている。1年前の記憶を呼び起こすと鳥肌が立つし、また同じことを達成するためのモティベーションになる」
「それでもすべてのシーズン、年は異なるもの。あのトロフィーを両手に掲げたいと思う選手は大勢いることもよくわかっている。これまでの長年の経験により、勝ち上がっていく中でどのようにエネルギーを使えばいいかわかっている。必要な強度でプレーし、オフコートのこともすべてコントロールし、正しいときに自分のピークを持っていく。5セットマッチは明らかに他の大会とは違う。グランドスラム大会は選手から最大のモティベーションを引き出すものだ。多くの選手が夢見ている。だからこそ、どの選手も甘く見てはいけないし、他の大会での実績では判断できない」
「僕にはそのように選手、大会をリスペクトして臨んでいる。そんな中で優勝した経験があり、優勝のために何が必要なのかわかっているから、自分を信じることができるし、今年も素晴らしい大会にしたい」
ここのサーフェスは1日でまったく違うものになってしまう。そんな中でプレーするのはどのようなもの?
「ここのサーフェスはいろんな意味で一番難しい。他のサーフェスよりも1本、2本と多くのショットを打つことになり、フィジカル面できついのがクレーコートだ。とてもスローなサーフェスなのでメンタル面も感情面も、フィジカル面でも多くのエネルギーが必要になる。それはすべての選手がわかっていること。だからクレーコートシーズンに向けてのトレーニングを行っている。インターバルトレーニングなど、体力強化が大きな課題になる」
「他の選手の考えはわからないが、僕にとってクレーコートで心地よくプレーするにはある程度の時間、いくつかの大会が必要になる。クレーコートでの1大会、2大会目でベストの状態になったことはほとんどない。それは今シーズンも同じこと。必要なレベルまで今年も2大会は必要だった。ローマでそこに到達したと思う」
「ローマでは1セットも落とさなかった。過去にも素晴らしい成績を残しており、いい時期に行われる大会だ。ロラン・ギャロスの1週間前と言うタイミングで調子を上げることができ、完璧な準備になっている。それが僕の意見で、もっと早くクレーコートに順応できる選手もいるだろう」
もう一度、今年のドローをどう思っている?
「ほとんどの練習では右利きと打ち合っているから、今大会は左利きが多く大変だ」
この大会限りで引退するジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)が引退するが、彼に伝えたい言葉は?
「僕が想像しうる最高のテニスとの別れができたらいいと願っている。センターコートでは彼には熱狂的な声援が送られるだろう。最初からシード選手と対戦するから、大変だ。テニス界でもカリスマがあり、エネルギーに溢れた選手で、その姿をフランスのファンは何年も観てきた。物凄いパワーを持った選手。彼は絶頂時には常にトップ10以内におり、僕の初めてのグランドスラム決勝でも戦った。オーストラリアでは、彼にとっても初めてのグランドスラム決勝だった。もう何年も前のことだけどね」
「ジョーのことはジュニア時代からよく知っている。彼のことは心底リスペクトしている。本当に、本当にいい奴なんだよ。彼は自分の姿勢で、テニスに多くのポジティブなものをもたらし、注目度も上げた。テニス界で彼が残した功績を誇りに思うべきだ」
写真◎Getty Images
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