またも初戦敗退のティーム「時間がかかることはわかっていた」 [フレンチ・オープン]
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス1回戦でケガを経ての復帰に取り組む元世界ランク3位のドミニク・ティーム(オーストリア)がウーゴ・デリエン(ボリビア)に3-6 2-6 4-6で敗れ、またも初戦で苦杯を嘗めた。
2018年と19年にロラン・ギャロスで決勝に進出し、2020年にはUSオープンで念願のグランドスラム初優勝を果たしたティームだが、復帰以降はまだ一度も勝利をおさめていない。彼は昨年6月に手首を負傷して9ヵ月以上も戦線から遠ざかったあと、今年の3月末に復帰第一戦をプレーした。
「時間がかかることはわかっていた。ここに出場している選手たちのレベルは非常に高く、自分がまだそのレベルに達していないことも自覚していた。僕はそこに至るためハードワークを積んできたけど、まだ時間が足りていない」とティームは試合後の記者会見で語った。
「辛いことだけど、状況を受け入れなければならない。それでもまあ、毎週毎週負けるというのは辛いね。 とはいえ予想外のことは何も起きていない。もし多くの試合に勝っていたなら、そちらのほうが大きな驚きだ。だから辛いし本当にがっかりしているけど、続けていくだけだ」
復帰戦だったチャレンジャー大会も含めてティームは今季プレーした7試合のすべてで敗れているが、身体的にもメンタル的にも問題はないと明かした。彼が苦労しているのは、恐らく試合数が不足していることで試合中の緊張感や自身の欠如などに起因するもののようだ。
「身体の問題はまったくない。またフォアハンドを打つのが怖いというようなメンタルの問題もない。僕はそういったことを何も恐れてはいない。問題は…練習ではしっかり打てているんだけど、実戦では違うということだ。試合になると硬くなるし、ナーバスになってしまう。フォアハンドのミスが多く、いい感触がまだ掴めていないんだ」とティームは説明し、「トレーニングで違うことをやっている訳ではない。それがカギなのだと思う。トレーニングでは非常にうまくやれているから、今は通常の状態に戻るべき時期だ。僕が6~7週間前辺りから一貫性をもっていい練習をし始めたことは秘密でも何でもない。だた特に僕が負ったケガの場合、それでは時間的に十分じゃないんだよ」と前向きに分析した。
「重要なのは、辛抱強さを持つことだ。うまく機能してない部分を改善させるよう努力を積んでいれば、きっと調子は戻ってくる。ただ時間が必要なんだ。今は失望していると言うことはできない。1週間ほど非常にいい準備を積めば、次の大会ではいいプレーができる訳じゃない。我慢強く続けなければならないんだ。またトップの選手たちと戦う準備が整うまで、あと数ヵ月はかかると思う」
写真◎Getty Images
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