「僕の中にはまだ炎がある」ワウリンカが15ヵ月ぶりの勝利に歓喜、ティームは連敗脱出ならず [イタリア国際]

写真はスタン・ワウリンカ(スイス)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月8~15日/賞金総額600万8725ユーロ/クレーコート)の男子シングルス1回戦でケガから復帰してカムバックに取り組んでいるスタン・ワウリンカ(スイス)が第14シードのライリー・オペルカ(アメリカ)を3-6 7-5 6-2で倒し、2021年オーストラリアン・オープン以来となるツアーレベルでの勝利をおさめた。

 これはワウリンカにとってここ14ヵ月で2度目のATPツアー公式戦だったが、彼は試合が進むにつれてリズムに乗り、特に試合後半では堅固で質の高いプレーを見せた。

「いい感じでプレーができたし、フィジカル的にも問題なかったよ。もちろん1年以上も試合に勝っていないと、そのことについて考えすぎて正しいことに集中できなくなる。全般的に見て素晴らしい試合、素晴らしいバトルだったと思う。僕はポジティブな姿勢を保つことができた。第2セットの終りと第3セットには自分のテニスがよくなり始めたし、勝てて本当にうれしいよ」とワウリンカは試合後にコメントした。

 第1セットを落としたワウリンカは第2セットでも一時2-4と劣勢に立たされていたが、次第にリターンをオペルカの足元に沈められるようになって試合の流れを逆転させた。

 15ヵ月ぶりの勝利に喜びを隠さなかったワウリンカは、「とにかく前向きな姿勢を保ち、戦おうとしなければならない。少し運がよければ、そして自分が食らいつく姿勢を相手に示すことができれば、そこからチャンスが生まれるんだ。僕はチャンスを手にし、よりいいプレーをした。そうしたら彼がミスをし始めたんだ」と試合後の記者会見で語った。

 前年に同大会で4強入りした強豪のオペルカに対する勝利が、オフコートでのリハビリ期間も含め何ヵ月にも渡って積み重ねてきた努力が報われる最初のきっかけになることをワウリンカは願っている。

「僕のキャリアは若いときに考えていたものよりずっとよかったから、2度の手術を経験したときに年齢を考えてプレーを止めることもできたはずだった。でも僕はまだ、自分の中にこの内なる炎を持っている。僕はまだ、自分が素晴らしいテニスをプレーできると信じている。まだまだ重要な結果を出すことはできると信じているんだ。もしかしたら今ではないかもしれないけど、数ヵ月のうちにはね」

 足のケガで1年余りプレーしていなかったワウリンカは3月にATPツアー下部のチャレンジャー大会で復帰の第一歩を踏み出し、そのあとモンテカルロ・マスターズにも出場したがいずれも初戦で敗れていた。

「近道などない。僕にはコート内外で時間をかけてそれを行う必要があった。僕は長いこと戦列を離れていたんだ。体重も増えてしまったし、大変だったよ。足に手術を受けたのでは、大したことはできない。戻ってくるには多くの努力が必要だったけど、モンテカルロ以来ここ数週間で状態はずっとよくなってきている」とワウリンカは苦労の多かった道のりを振り返った。

 ワウリンカは次のラウンドで、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)を6-2 6-7(3) 6-2で破って勝ち上がった予選勝者のラスロ・ジェレ(セルビア)と対戦する。

  一方で同じくケガからのカムバックに取り組んでいるドミニク・ティーム(オーストリア)は、まだ復帰後初勝利に恵まれていない。ティームは同日に行われた1回戦で、地元選手のファビオ・フォニーニ(イタリア)に4-6 6-7(5)で惜敗した。

 ティームは第2セット3-5から挽回する粘りを見せたが、タイブレーク5-5からのパッシングショットがわずかにラインを割り、最後も自分のミスで試合に終止符を打つことになった。

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写真◎Getty Images

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