シフィオンテクが圧巻の勝利で2年ぶりの決勝進出「前の2試合ほどプレッシャーを感じなかった」 [フレンチ・オープン]
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の女子シングルス準決勝で第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が第20シードのダリア・カサキナ(ロシア)を6-2 6-1で圧倒し、2年ぶりの女王返り咲きに王手をかけた。
2月末のドーハから5大会連続優勝中のシフィオンテクはキャリア最長の連勝を「34」に伸ばし、2013年に記録したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に並んだ。
最初のサービスゲームを落としたカサキナが2-2に追いつくまで試合は拮抗した様相を呈していたが、シフィオンテクがギアを上げて2度目のブレークに成功してからはほぼ独壇場だった。試合終盤にミスが多かったカサキナは多くのショットを返して粘ることで状況を逆転することもできず、シフィオンテクがわずか1時間4分で2度目の決勝行きを決めた。
勝利後に「とても特別な瞬間だわ。感動している。今日はとてもいいプレーができた」と言って会心の笑みを浮かべた世界ランク1位のシフィオンテクは、重要な試合へのアプローチについて尋ねられると「常に同じやり方で準備している。これは重要な対戦だと思い過ぎるとストレスを感じてしまうから、とにかくやるべき任務に集中するの」と答えた。
2020年以来のロラン・ギャロス決勝に臨むシフィオンテクはのちに会場内にあるフランス国営テレビのスタジオで元世界ナンバーワンのジュスティーヌ・エナン(ベルギー)を交えて行われたインタビューで、「2年前とは状況が全然違うから比べられないわ。2年前の私はアウトサイダーで優勝賞候補ではなかったし、今回はより大きなプレッシャーがある。だから前回の経験が役立つか、確信が持てないわ」と話した。
余計なことは考えず「とにかく自分のタスクを実行に移すことに集中するようにしている」と繰り返すシフィオンテクは、ここ何年か世界1位が目まぐるしく変わった中で安定してトップに留まっている秘訣は? と尋ねられると「本当に安定して留まれるか見てみないといけないわ。世界1位というのは、私にとって新しい状況だから。セレナがやっていたような覇権は並外れたことでまったく比較にならないけど、とにかく私は階段を一段一段登るように努力してベストを尽くしたい」と返答した。
「私がもっとも心地よさを感じるサーフェスがクレーコートであり、ロラン・ギャロスはいつも私のゴールだったの。私はロラン・ギャロスのために、フィジカル面とメンタル面のトレーニングをたくさん積んできたわ」
4回戦や準々決勝と比べてより精神的に落着いた様子を見せていたシフィオンテクは、「確かに今日の私は前の2試合ほどプレッシャーを感じていなかった。準決勝進出というのは既にいい成績だということもあるし…。ジェン・チンウェン(中国)に対する4回戦は、第1セットを落として厳しかった。でもあの試合を乗り越えたことで私は『自分は(ストレートで勝ちきるいつものパターンではない)違う状況にも対処できるのだ』と感じ、それが自信になったの」と明かした。
大会中に21歳になったシフィオンテクは決勝で、マルチナ・トレビザン(イタリア)を6-3 6-1で破って勝ち上がった第18シードのコリ・ガウフ(アメリカ)と対戦する。
2年前よりも前に踏み込んでネットプレーも織り込んでいくようになっシフィオンテクは決勝に向け、「同じルーティーンを続け、自分のやるべきことに集中したいわ。カギはいい精神姿勢で臨むこと、そして(受け身にならず)アクティブに動くこと。ココ(ガウフ)に対してどう戦うかの詳細は、今ここでは明かさないけどね!」と最後に抱負を述べた。
写真◎Getty Images
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