世界115位のタンが初のウインブルドンで「ドローを見たとき恐れおののいた」セレナに殊勲の勝利

写真は初のウインブルドンで殊勲の勝利を挙げたアルモニー・タン(フランス)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス1回戦で、ワイルドカード(主催者推薦枠)を受け取りこの大会からシングルスに復帰したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が世界ランク115位のアルモニー・タン(フランス)に5-7 6-1 6-7(7-10)で敗れるという波乱が起きた。

 もっともセレナにとって、これが昨年のウインブルドン1回戦で負傷により途中棄権して以来のシングルスマッチということを考えればどんなことも起こり得たのは事実だ。

 まだラリーが長引いたときのスタミナや敏捷性に問題を抱えている様子のセレナは第1セット0-2から4-2に挽回したが、技巧的なプレーで揺さぶりをかけてくるタンに5-5からふたたびブレークを許して第1セットを失った。第2セットを圧倒したセレナは第3セットも先にブレークして2度リードを奪ったが、その都度すぐに巻き返された。

 中国系カンボジア人の父とベトナムにルーツを持つ母の間に生まれたパリ生まれのフランス人であるタンにとって、これは初のウインブルドン本戦の舞台だった。

「彼女(セレナ)はスーパースターよ。ドローを見たとき、恐れおののいたわ。彼女は伝説の選手。私は『何てこと! どうプレーしたらいいの?』という感じだった。1~2ゲーム取れたら、私にとっては凄くいいと思っていたの。私にとって初めてのウインブルドン…。もう『WOW!』としか言えないわ」とタンは3時間10分を擁した試合後に話した。

「疲れてはいるけど、本当にうれしい。私はすべてのボールをスライスをかけたりペースを変えたり、バラエティを与えようとしてプレーした。それが今日はうまくいったわ」とタンは試合を振り返った。

「これは夢(の実現)よ。だって私は子供の頃にセレナをテレビで観ていたんだから。私のコーチ(1998年ウインブルドン準優勝者の)であるナタリー・トージア(フランス)は、20年前に彼女とプレーしたのよ。彼女はレジェンドだわ」

「非常に長い戦いだった。間違いなく昨年よりはいいわ。これは始まりなのよ。肉体的にはかなりよくやったと思う。大事なポイントを取ることは常に、持つべきメンタリティや必要なメンタリティに関わってくる。私はそういったいくつかのキーポイントで1~2回はよくやったけど、明らかにそれでは十分ではなかったわ」とセレナは試合後の記者会見で語った。

「今日はできる限りのことをやったわ。もしかしたら明日には、さらに多くを注ぎ込むことができるかもしれない。でも今日は、自分にできることはやった。ある時点では、それで納得しなければならない。それが私にできるすべてなのだから」

 タンは次のラウンドで、予選勝者のクリスティーナ・マクヘイル(アメリカ)を6-2 6-1で破って勝ち上がった第32シードのサラ・ソリベス トルモ(スペイン)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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