ジャバーがアラブ人として初めてグランドスラム準々決勝の壁を突破「もう長いこと、この段階に至ることを願っていた」 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス準々決勝で第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア)がマリー・ブーズコバ(チェコ)を3-6 6-1 6-1で倒し、男女を通してグランドスラム大会で4強入りした初のアラブ人となった。
「もう長いこと、この段階に至ることを願っていたわ。私は準々決勝で何度か苦労したから」とジャバーは試合後の記者会見で語った。
「私はちょっぴり(4度グランドスラム大会で8強入りした元世界ランク22位の)イシャム・アラジと話したの。彼は『アラブ人は常に準々決勝で負ける。それにはもううんざりだよ。君がこの壁を破るんだ!』と言ったわ。私は『トライするわ』と答えた。テキストでの会話だったんだけど、彼は凄く喜んでいるわ。『ついに準決勝に進出してくれてありがとう。君はさらに進んでタイトルを獲れるよ』と言ってくれたのよ」
2020年オーストラリアン・オープンと21年ウインブルドンの準々決勝で、ジャバーはいずれもストレート負けを喫していた。この日も出だしにはエンジンがかからず最初のセットを落したが、続く2セットでは相手を圧倒した。
「第2セットの出だしから、私は本当にいいプレーをしたと思う。特に早い段階でブレークできたことが、自信を得る助けになったわ。彼女に対してプレーするのが簡単じゃないことはわかっていた。彼女はすべてのボールを返してきて自分からはあまり仕掛けてこないから、ポイントを取るのが大変なの。私は第2セットでよりアグレッシブにプレーし、特に戦略的に彼女が好きではないアングルを突くことができていた」とジャバーは試合を振り返った。
ジャバーは次のラウンドで、ダークホースのタチアナ・マリア(ドイツ)と顔を合わせる。2児の母でもある34歳のマリアは準々決勝で、自国の後輩ユレ・ニーマイヤー(ドイツ)とのノーシード対決を4-6 6-2 7-5で制して勝ち上がった。
両者は過去3戦してジャバーが2勝1敗でリードしているが、最後の対戦が2018年とかなり前のこととなる。103位というマリアのランキングを見れば有利なのは同2位のジャバーということになるが、彼女は多くのシードを打破して勝ち上がってきたマリアに対して警戒心と敬意、そして親しみを抱いていた。
マリアと家族ぐるみの付き合いがあるジャバーはマリアの娘シャルロッテに「あなたは私の応援してくれるの? それともママの応援?」と冗談で聞いたという逸話を明かし、「言うまでもなく彼女は厳しい相手よ。彼女が実力に見合った成果を挙げたことをうれしく思っているの。私は彼女が苦しんでいたことは知っている。ふたりの子供を出産したあとに戻ってくるのは簡単なことじゃない。素晴らしい試合になるでしょうね。私たちの間には大きな敬意があるわ」と次戦を見据えた。
写真◎Getty Images
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Related
-
2022-07-06
1セットダウンを克服したジャバーがブーズコバを退け初のグランドスラム4強入り [ウインブルドン]
-
2022-07-05
2児の母マリアが自国の後輩ニーマイヤーに競り勝ち準決勝へ、34歳にしてグランドスラム自己最高の進撃をさらに更新 [ウインブルドン]
-
2022-07-04
世界2位のジャバーが2年連続準々決勝進出「本当にタイトルが欲しいから、私は戦い続ける」 [ウインブルドン]
-
2022-07-03
グランドスラム過去13大会で2回戦止まりだったブーズコバがガルシアを倒して準々決勝進出 [ウインブルドン]
-
2022-07-02
ベルリン優勝の勢いに乗るジャバーが快調に4回戦へ「ここでのプレーが大好き」 [ウインブルドン]
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Ranking of articles
-
2024-11-07
錦織が第7シードを倒して2週連続ベスト8進出、ここ6試合で4度目のフルセット勝利 [ヘルシンキ・チャレンジャー]
-
2024-11-10
山口芽生が2021年7月以来のITFツアー2勝目、転倒した際に頭部負傷の伊藤あおいは大事を取ってリタイア [W35浜松ウイメンズオープン]
-
2024-11-10
2時間41分でフルセット勝利の錦織が今季初優勝に王手 [ヘルシンキ・チャレンジャー]
-
2024-11-09
第4シードに勝った錦織がチャレンジャー大会で2週連続準決勝に進出 [ヘルシンキ・チャレンジャー]
-
2024-11-10
錦織がナルディに逆転勝利で今季初優勝、トップ100復帰が目前に [ヘルシンキ・チャレンジャー]