ジョコビッチがノリーを倒し、男子最多32回目のグランドスラム決勝進出 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス準決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第9シードのキャメロン・ノリー(イギリス)を2-6 6-3 6-2 6-4で下して大会4連覇に王手をかけた。
同大会での連勝を「27」に伸ばしたジョコビッチはロジャー・フェデラー(スイス)をひとつ上回り、同種目で史上最多となる32回目のグランドスラム決勝進出を決めた。
非常に堅固なプレーを見せた地元イギリスのノリーはまだエンジンのかからない様子のジョコビッチを抑えて第1セットを先取したが、試合が進むにつれてレベルを上げたジョコビッチが攻撃的なストロークで次第にノリーへの圧力を増加させていった。
「僕はあまりいいスタートが切れなかった。第1セットでは、彼のほうがより優れたプレーヤーだった。僕はこれ以前にも何度もグランドスラム大会で準決勝をプレーしてきたが、決して簡単ではないんだよ」とジョコビッチは試合後のオンコートインタビューで語った。
「多くのプレッシャーに加え、他者や自分自身からの期待がある。キャメロンには失うものはあまりなかった。彼は人生最高の大会をプレーしていた。母国でプレーするのは決して簡単なことではないが、彼に幸運を祈る。彼は素晴らしいプレーヤーであり、僕は彼に大きな敬意を抱いているよ」
26歳のノリーは初めてのグランドスラム準決勝だったにもかかわらず非常に落ち着いた様子で試合を始めて第1セットをきっちり取ったが、第2セットに入るとジョコビッチがプレー強度を上げてノリーのサービスにより厳しいプレッシャーをかけ始めた。
ワンチャンスを掴んでブレークして第2セットを奪ったジョコビッチは次第に流れを引き寄せ、反対にノリーのショットが勢いを落としていく中、第3セットでははっきりとジョコビッチに有利な方向へと傾いていった。ジョコビッチは第4セットの出だしに勝負を分けるブレークを果たし、最終的に試合を4セットで終わらせた。
「今日は凄く暑かった。試合の出だしに僕は少し硬くなっていて、ボールをスムーズにしっかり打ち抜くことができておらず、キャメロンが主導権を握っていた。第2セットでブレークできたのはややラッキーだった。4-3から彼が数回決め球をミスして僕にそのゲームを与えてくれ、そのゲームで僕は流れが変わったと感じたんだ」とジョコビッチは試合を的確に要約した。
準々決勝でのジョコビッチは第10シードのヤニク・シナー(イタリア)に対して最初の2セットを落として非常に苦戦を強いられたが、そこから巻き返して5-7 2-6 6-3 6-2 6-2で逆転勝利をおさめていた。
21回目のグランドスラム制覇を目指すジョコビッチは決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が腹筋のケガを理由に棄権したため不戦勝で勝ち上がったニック・キリオス(オーストラリア)と顔を合わせる。両者は2017年にハードコートで2度対戦しており、いずれもキリオスがストレートで勝っている。
決勝の展望を尋ねられたジョコビッチは、「ひとつ確かなのは、僕たち2人から多くの感情的な花火が上がるだろうということだ。これは彼にとって、初めてのグランドスラム決勝だ。彼は凄く興奮しているだろうし、彼には失うものはない。それに彼は、いつもそんな風にプレーしている」と答えた。
「彼は本当にのびのびとプレーしているし、テニス界最強のサービスの持ち主のひとりでもある。全体的に見て彼は力強いテニスをし、ショットが非常にパワフルだ。僕たちはここしばらく対戦していなかった。僕は彼からセットを取ったこともないんだ。今回は違う結果になるよう願っているよ」
ウインブルドンでの戦績を85勝10としたジョコビッチは同大会での勝利数で105勝14敗のフェデラーに次ぐ2位につけており、3位が84勝18敗のジミー・コナーズ(アメリカ)で、ボリス・ベッカー(ドイツ)とピート・サンプラス(アメリカ)がそれに続いている。
「ここウインブルドンで、僕が本当に愛するこの大会で、また決勝を戦える。これまでに積み上げてきた経験が、僕にとって有利に働くよう願っているよ」
写真◎Getty Images
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