クレッシーがイズナーを倒して今季3度目の決勝進出「今年の躍進はメンタル的な部分が大きい」 [名誉の殿堂オープン]

写真はマキシム・クレッシー(アメリカ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「インフォシス名誉の殿堂オープン」(ATP250/アメリカ・ロードアイランド州ニューポート/7月11~17日/賞金総額66万5330ドル/グラスコート)の男子シングルス準決勝で、第4シードのマキシム・クレッシー(アメリカ)が同大会を4度制した実績を持つ第2シードのジョン・イズナー(アメリカ)を6-2 4-6 6-3で倒してツアー初優勝に王手をかけた。

 試合を通して22本のサービスエースを決めてファーストサーブからのポイントを86%取ったクレッシーは、強力なサービスと安定したストロークを武器に厳しい競り合いから勝者として浮上したが、その過程ではちょっとした運も味方につけた。

 第3セット4-3からのレシーブゲームでデュースからブレークポイントを掴んだクレッシーは、奇妙な形でそのチャンスをものにした。イズナーのサービスをやっとのことでラケットに当てたクレッシーのリターンはぎりぎりでネットを超え、バックスピンがかかっていたその返球はバウンドしてからクレッシーのコートに戻り、イズナーはネット際にいながらボールに触れることができずにエースになったのだ。

「チャンスが到来し、僕は運よくそのうちのひとつを掴んだ。彼には謝ったよ。でも僕は我慢強く戦い続けることで、あの運を呼び込んだのだと思う」とクレッシーはその場面を振り返った。

 これでこのセット唯一のブレークに成功して5-3とリードしたクレッシーは次のゲームで一度はブレークポイントを与えながらも巻き返し、最後はマッチポイントをサーブ&ボレーで仕留めて同大会でイズナーが続けていた連勝を「10」でストップさせた。

「ジョンは第2セットからサービスのレベルを大きく引き上げた。彼はライン上を突き、より多くのエースを決め始めた。彼は間違いなく、第2セットから非常に高いレベルでプレーしたよ」とクレッシーは試合後のオンコートインタビューで語った。

 今シーズンだけで3度目のツアー決勝進出を決めたクレッシーだが、キャリア初の機会だった1月のメルボルンはラファエル・ナダル(スペイン)に、6月のイーストボーンではテイラー・フリッツ(アメリカ)に敗れていた。

 2022年に入ってから世界ランクを81段も駆け上がって自己最高の41位で今大会を迎えているクレッシーは、今週の活躍で30位台に入ることを確定させている。昨年の彼は、ATPツアー下部のチャレンジャー大会により多く参戦していた。

 イーストボーンで当時12位だったキャメロン・ノリー(イギリス)に勝ち、ウインブルドンではフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)から金星を挙げて対トップ10初勝利をおさめていたクレッシーは、今季の急上昇を新たに見出した『自信』のおかげだと主張した。

「プレー自体はそれほど変わっていない。それよりも『自分にはATPツアーの中で競う力があるんだ』という自信を得たことによるメンタル的な部分が大きいんだ」とクレッシーは分析した。

「コンディショニングと自信が僕にとってカギだった。それをここ2ヵ月余りで築くことができたから、凄くうれしいよ」

 クレッシーは決勝で、ジェイソン・クブラー(オーストラリア)を6-3 6-2で破って勝ち上がった第3シードのアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)と対戦する。

 初出場で準優勝を飾った2019年以来の決勝進出を決めたブブリクは、「ニューポートで僕と対戦するのは簡単じゃないよ」と自信を滲ませた。クブラーはウインブルドンで予選から4回戦に進出したあと、今大会の2回戦では第1シードのオジェ アリアシムに対する接戦を制した乗っている選手だった。

 ブブリクは初対決となるクレッシーとの決勝を見据え、「彼に対して準備するのは簡単じゃないけど、それに適応していくのがテニスというものだ。自分のテニスをうまく調整し、明日の試合がどうなるか見てみることにしよう」とコメントした。

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写真◎Getty Images

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