決勝は19歳のアルカラスと20歳のムゼッティによる若手対決に [ハンブルク・オープン]
ATPツアー公式戦の「ハンブルク・ヨーロピアン・オープン」(ATP500/ドイツ・ハンブルク/7月17~23日/賞金総額191万1620ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準決勝で、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)がアレックス・モルチャン(スロバキア)を7-6(2) 6-1で下して今季5勝目に王手をかけた。
「厳しい戦いだった。言うまでもなく、彼は非常にいいプレーをしていた。第1セットは本当に競っていた。いいプレーをして第1セットを取ることができて本当によかったよ」とアルカラスは試合後にコメントした。
「第2セットで彼は少し気落ちしたのだと思う。第2セットの彼はいいプレーをしていなかった。僕は自信を持って試合を終え、とてもいいプレーができた」
自分と同じようにベースラインからアグレッシブにプレーしてくるモルチャンに第1セットを通して苦しめられたアルカラスは、2度ブレークされてリードを許しながらその都度追いついてタイブレークに持ち込んだ。
「彼のドロップショットを読むことができなかった。ドロップショットに関して言えば、今日は彼のほうが上だった。だから第1セットでは少しフラストレーションを感じてしまったよ」とアルカラスは苦戦の一因について言及した。
自分のアンフォーストエラーにも足を引っ張られていたアルカラスはタイブレークに入ると無駄なミスをなくして一気に6-0とリードを広げて第1セットをもぎ取り、その勢いに乗って第2セットでは強力なストロークでモルチャンを圧倒した。
19歳のアルカラスは決勝で、フランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)を6-3 7-6(3)で破って勝ち上がった20歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)と対戦する
ツアー決勝で5戦全勝の戦績を誇るアルカラスは、「ロレンツォは非常にいいプレーをしている。もちろん彼は素晴らしいプレーヤーだ。素晴らしい決勝になるだろう。彼は決勝に至る過程で凄くいいプレーをしてきた。それは僕も同じだし、僕は決勝に向けて大いに自信を持っている。(決勝の戦績を)6戦全勝にできるよう願っているよ」と次戦を見据えた。
結果にかかわらず初のトップ5入りが確定しているアルカラスが決勝で勝った場合、彼は今季の獲得タイトル数でラファエル・ナダル(スペイン)に追いつくことになる。
一方でキャリア初のツアー決勝進出を決めたムゼッティは、「これは大きな意味がある」と感慨を口にした。
「先週のバスタッドでいいプレーをしていなかったから、これは僕にとって驚きだ。ここで決勝に進出するなんて思ってもいなかった」
ムゼッティは最初のゲームをキープするために奮闘したあといきなり5-0とリードを広げ、第2セットでも2-0とリードした。しかし同セット終盤に少しナーバスになって試合を締めくくるのにやや苦労し、ムゼッティは5-4で迎えた最初のマッチポイントでアンダーサーブを試みたがセルンドロに素早く反応されたためこの作戦は凶と出た。しかしもつれ込んだタイブレークで1-3と劣勢に立たされたあと、ムゼッティは最後の6ポイントを連取して堂々と試合を締めくくった。
「彼が本当にいいプレーをしていたから、簡単じゃなかったよ。僕はプレッシャーを受けながらプレーしていた。彼がアドサイド(のリターン)でベースラインからかなり下がっていたから、どうしてアンダーサーブを打ったのかわからないけどうまくいかなかったね。最後はそのオプションは選ばず、キックサーブを打ってからボレーに出て成功したよ」
もし決勝でムゼッティがアルカラスに勝つことができれば、彼は同大会で優勝したパオロ・ベルトルッチ(イタリア)とファビオ・フォニーニ(イタリア)に続く3人目のイタリア人選手になることができる。
「ファビオやパオロのようなイタリアのテニス界におけるレジェンドと比較されるというのは本当に名誉なことだ」とムゼッティはコメントした。
写真◎Getty Images
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