勢い止まらぬティアフォーがストレート勝利でキャリア初のグランドスラム4強入り [USオープン]

写真は初のグランドスラム4強入りを決めたフランシス・ティアフォー(アメリカ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で第22シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)が第9シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を7-6(3) 7-6(0) 6-4で退け、四大大会で初のベスト4進出を果たした。

 前のラウンドで今季のグランドスラム大会で無敗だった第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)を倒して世間をあっと言わせたティアフォーは、この日のプレーでそれがまぐれではなかったことを証明してみせた。

 ティアフォーのグランドスラム大会におけるこれ以前の最高成績は、2019年オーストラリアン・オープンでの準々決勝進出だった。

 ナダルに勝った自信と熱狂する母国の観客の声援に後押しされたティアフォーは最初の2セットではブレークこそ果たせなかったものの、第2セットのタイブレークはルブレフに得点させないまま7ポイントを連取して締めくくった。それが今の勢いを象徴する時間帯だったとは言え、それ以外でも彼はほぼ一貫して高いレベル保ってスコアでは競り合いながらもストレートで試合を終わらせた。

「これは凄いことだ。クレイジーだ」とティアフォーは試合後のオンコートインタビューで率直な気持ちを吐露した。

「24時間前に僕は人生最大の勝利をおさめ、今日もまた大きな勝利を挙げた。アンドレイは凄いプレーヤーだ。(ナダル戦の勝利が)まぐれじゃなかったことを証明できたというのは非常に大きなことだよ。ページをめくるのは難しいものだけど、僕はそれをやってのけた。これで次は準決勝だ!」

 昨年の大会でも3回戦で接戦の末にルブレフに勝っていたティアフォーはこの日、お互いにサービスゲームをキープしながらもつれ込んだふたつのタイブレークで自らのプレーレベルを引き上げた。たびたびネットに出ることで相手にプレッシャーをかけた彼は、第3セットの第7ゲームでこの試合初のブレークに成功した。次のゲームでルブレフの逆襲と3つのブレークポイントに耐え抜き、最後はラブゲームでキープして試合に終止符を打った。

「このコートは居心地がいい。信じられないほど素晴らしいよ。観客はここまでずっと僕を応援してくれているしね」とティアフォーは試合後にコメントした。

「僕はプレーしたいし、ベストを尽くしたい。僕はいつもこのコートで何とか道を見出し、素晴らしいテニスをしてきた。これを楽しもうじゃないか。あと2試合だ」

 同種目の地元アメリカ勢として2006年に準優勝を飾ったアンディ・ロディック(アメリカ)以来となる4強入りを決めたティアフォーは次のラウンドで、第11シードのヤニク・シナー(イタリア)を6-3 6-7(7) 6-7(0) 7-5 6-3で破って勝ち上がった第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン)と対戦する。

 ナイトセッションで行われるもうひとつの準々決勝を観るかと聞かれたティアフォーは、「ゆったりと座って足を上げ、彼らのバトルを観ることにするよ。彼らを一晩中戦わせようじゃないか」とジョークを飛ばした。

「でも彼らはふたりとも素晴らしい選手だ。金曜日の戦いは厳しいものになるだろう」

 金星を挙げたナダル戦のあとに「世界が止まったように感じた」と告白していたティアフォーだが、彼の世界は動いている。1回戦勝利後に「僕は何か特別なことをやってのける可能性があるダークホースだ」と言った彼は、最大の難関だった4回戦をクリアしたあとには「それはもう終わった。もうダークホースはいなくなった」と話していた。

「でもいいことだよ。それは僕がいいプレーをする上で助けになる。今だって僕は自分に何ができるか、これからの数試合で何をする力を持つかを知っている。僕は変わらずプレッシャーなど感じていない。自分が何かをすべきだという感覚はない。僕は素晴らしいテニスをして、それを楽しむためにここにいるんだ」

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写真◎Getty Images

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