2人で世界の頂点を目指すリンダ&ブレンダのフルビルトバ姉妹

写真はUSオープンでのリンダ・フルビルトバ(チェコ)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「チェンナイ・オープン」(WTA250/インド・タミルナードゥ州チェンナイ/9月12~18日/賞金総額25万1750ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で、リンダ・フルビルトバ(チェコ)が第3シードのマグダ・リネッテ(ポーランド)を4-6 6-3 6-4で倒してツアー初タイトルを獲得した。

 USオープンで初のグランドスラム本戦入りを果たした勢いに乗ってチェンナイに乗り込んだ17歳フルビルトバの画期的な1週間は、リネッテに対する逆転勝利で幕を閉じた。

 17歳と141日でのツアー優勝は、昨年5月に17歳と70日でパルマを制したコリ・ガウフ(アメリカ)以来の年少記録となる。今大会の結果でトップ100入りを決めたフルビルトバは、月曜日に更新された世界ランクで130位から74位に浮上した。

 フルビルトバはその若さと強さに加え、2歳年下の妹ブレンダ・フルビルトバ(チェコ)とともにプロへの道を歩んでいることからこれまでもたびたび注目を集めてきた。

「非常に若い頃から、国内の10歳以下の大会でさえ、私たちは多くの注目を集めてきた。だから人々が私の動向に注意を払っている状況には、ある意味もう慣れているわ」と優勝に先立ちフルビルトバはWTA(女子テニス協会)に語っていた。

「でもテニスの世界では2試合ほど負けただけで、人々は『ああ、彼女は不振に落ち込みつつある』と言い、2試合に勝つと突然『彼女はスターだ』となる。人々の言うことをあまり気にすることはできない。私が気持ちを集中させているのはそういったことではないわ」

 リンダとブレンダのフルビルトバ姉妹は、ステファノス・チチパス(ギリシャ)の練習拠点でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がクレーコートシーズン前にベースとしていた南フランスにあるムラトグルー・テニスアカデミーの奨学生で、ふたりは2017年から同アカデミーでトレーニングを積んできた。

 ファイティングスピリットが最大の強みと見なしているフルビルトバはこれといったランキングの目標は定めず、何より上達を続けることを重視していると主張した。

「年末までにトップ50に入るべきとか、そういうことを考えるべき立場にはいないわ。私はただ、グランドスラム大会や大きな大会の本戦にストレートで入れる位置に身を置きたいの」とフルビルトバはコメントした。

 セレナとロジャー・フェデラー(スイス)のファンであることを公言しているフルビルトバは大きな敬意を抱いているふたりが引退を決めたことを悲しんでいるが、同時に世代交代が起きようとしていると感じていると話した。

「私たちはその日がこないことを願っていたけど、それは避けられないものだった。これは一時代の終焉。そして今、世代が変わろうとしている。カルロス・アルカラス(スペイン)のような新しい選手たちが台頭してきた。今、世代交代が起きようとしているのよ」

 そして彼女と15歳の妹ブレンダは、その新時代の象徴的な存在の一角でもある。

「10代のうちにグランドスラム大会で優勝することは可能だとわかっているけど、何度か起きていた昔のように15歳や16歳で多くのグランドスラム大会で勝ってシーンを支配することが可能だとは思わない。もちろん、できるだけ早くグランドスラム大会で優勝したいけど、19歳のときに優勝しようと20歳だろうと構わないわ。ただベストを尽くし、何が起きるか見てみるだけよ」とフルビルトバは私見を述べた。

 ウイリアムズ姉妹と同じくフルビルトバ姉妹は非常に仲がよく、リンダは妹と一緒にツアーを回れるようになる日を待ち遠しく思っている。ITFツアー5大会連続制覇を果たして国際テニス連盟(ITF)の女子ツアー下部大会での連勝を「25」に伸ばした妹のブレンダは、15歳にしてすでに世界ランク200位以内に食い込んでいる。

「妹と一緒にオーストラリアに行くことになりそうなの。本当にわくわくしているわ。彼女はこのところ、物凄くいいプレーをしている。彼女は誰にとっても非常に厳しい対戦相手であり、大きな大会でもきっとうまくやると思うわ」とフルビルトバは妹の活躍に太鼓判を押した。

 かつてウイリアムズ姉妹がやってのけたように、姉妹揃ってグランドスラム決勝に進むことをふたりは夢見ている。

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写真◎Getty Images

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