ジョコビッチとメドベージェフの今季初対決が準決勝で実現 [アスタナ・オープン]
ATPツアー公式戦の「アスタナ・オープン」(ATP500/カザフスタン・アスタナ/10月3~9日/賞金総額205万4825ドル/室内ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦した第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がカレン・ハチャノフ(ロシア)を6-4 6-3で下してベスト4に進出した。
ジョコビッチは次のラウンドで、ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)を6-1 6-1で破って勝ち上がった第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦する。ふたりにとってこれは、通算11度目の直接対決となる。
モナコでジョコビッチとの練習に招かれたとき、メドベージェフは19歳のホープでトップ100から遥かに離れたランキングだった。一方のジョコビッチは世界ランク1位に君臨しており、ウインブルドンで優勝したばかりだった。7年以上前のこの練習が、ふたりのコートでの初めての出会いだった。
当時のメドベージェフはジョコビッチを神のように崇めており、「彼は僕に話しかけてこないだろうと思った」と明かした。
「僕はシャイだったから、自分からは話さなかった。だから彼が僕に質問し、まるで友人であるかのように話しかけてくれたんだ。僕は本当に驚いたよ。そしてそれ以来、彼はその態度は決して変えなかった。僕が600位だろうと4位だろうとね」
2021年オーストラリアン・オープン決勝でジョコビッチにストレート負けを喫したあと、メドベージェフはこのエピソードについて話していた。そのときの表彰式では、「君がグランドスラム大会でタイトルを獲るのは時間の問題だ。でももし構わなければ、あと数年待ってくれ」とジョコビッチがメドベージェフに言う場面があった。
そしてその7ヵ月後、同年のUSオープンで今度はメドベージェフがジョコビッチにストレート勝ちして初のグランドスラム初優勝を飾った。2021年の2試合は彼らの8度目と9度目のマッチアップだったが、今や2人の間にはライバル関係と呼べるものが構築されている。
バウティスタ アグートに快勝したあとのオンコートインタビューで、「僕たちはふたたびぶつかる。本当にうれしいよ。もちろんノバクがロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)と対戦するのとは程遠いけど、悪くないライバル関係だと僕は思っているんだ。明日はベストを尽くす必要がある」と次戦についてコメントした。
ふたりは2017年のデビスカップでの初対決からジョコビッチが3連勝したあとメドベージェフが2試合連続で勝つなど10戦し、ジョコビッチが6勝4敗と若干リードしている。直近では昨年11月にパリ・マスターズで決勝を争い、ジョコビッチが4-6 6-3 6-3で逆転勝利をおさめて37回目のマスターズ制覇を果たしていた。
「僕たちには類似点がある。ふたりとも制御されたアタッカーで、ともにディフェンスが得意なことだ」とジョコビッチは試合後の記者会見で話した。
「彼の予測力は非常によく、特にバックハンド側がしっかりしている。彼はあまりミスを犯さない。彼は相手を走らせ、すべてのポイントで苦労を強いる。そうやって彼は、相手を疲れ果てさせようとするんだ。でもそれは、僕がキャリアを通してやってきたことでもあるんだよ」
もうひとつの準決勝は、ステファノス・チチパス(ギリシャ)とアンドレイ・ルブレフ(ロシア)の顔合わせとなった。第3シードのチチパスが第7シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)を7-6(8) 6-3で倒し、第5シードのルブレフはアドリアン・マナリノ(フランス)を6-1 6-2で退けた。
写真◎Getty Images
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