ジョコビッチがチチパスを倒して2大会連続優勝、ATPファイナルズ出場権も獲得 [アスタナ・オープン]

写真は2021年Nitto ATPファイナルズでのノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「アスタナ・オープン」(ATP500/カザフスタン・アスタナ/10月3~9日/賞金総額205万4825ドル/室内ハードコート)の男子シングルス決勝でワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦した第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-3 6-4で下して前週のテルアビブに続き2大会連続優勝を飾り、ツアー通算90勝目を挙げた。

 チチパスはATP500大会で9度目の決勝に臨んだが、9度目の準優勝に甘んじることになった。それでも彼は大会後に更新される世界ランクでトップ5復帰を決めており、今季の勝利数「53」で変わらず男子ツアーの先頭を走っている。

 試合後のオンコートインタビューで「(若い頃には)ツアーで90回もタイトルを獲得することなど夢見てはいなかったのではないか」と尋ねられたジョコビッチは、「実を言うと、僕は大胆にも夢見ていた。僕はいつも、素晴らしいキャリアを送ることを願っていたんだ」と明かした。

「もちろん自分がプレーすることになる決勝の数や優勝する大会の数はわからなかったけど、僕の意図は常にテニス界で最高の高みに至るというものだった」

 非常に高いレベルで試合を始めたジョコビッチは1分余りしかかけずにラブゲームで最初のゲームを奪取し、4-3からのレシーブゲームでは準決勝で第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)に対して功を奏したドロップショットも効果的に織り交ぜながらブレークを果たした。

 第2セット第5ゲームでも相手のサービスゲームを破ったジョコビッチは最後のポイントをバックハンドのウィナーで締めくくり、各セット1度ずつのブレークで首尾よく勝利をものにしてチチパスとの対戦成績を8勝2敗とした。

「人生のこの段階でこれほどいいプレーができていることにとても感謝しているし、自分は恵まれていると感じている。僕は35歳だ。もう25歳じゃない。でも恐らくこの種の試合や大きな大会での経験は、正しい方法で取り組むために役立つと思う」とジョコビッチは試合後にコメントした。

 ウインブルドン後にワクチン未接種であることを理由にUSオープンを含む北米ハードコートシーズンに出場できず3ヵ月近く大会から遠ざかっていたことでよりハングリーになったかと聞かれたジョコビッチは、「ああ、そうだった。これよりいいシーズンの再スタートは望めない。僕はここ2週間にやったのと同じくらいいい形でシーズンを終えるための意欲とモティベ―ションに満ち満ちている」と答えた。

 今季4勝目を挙げたジョコビッチは少なくとも今季をトップ20で終えることを確定させたため、シーズン末にイタリア・トリノで開催される「Nitto ATPファイナルズ」の出場権を獲得した。基本的に世界トップ8による対決である同大会だが、ウインブルドンで優勝したジョコビッチのような同シーズンのグランドスラム優勝者の出場条件は『11月のパリ・マスターズ終了時にトップ20にいる』となっている。

 ジョコビッチは出場権を獲得した5人目の選手で、ラファエル・ナダル(スペイン)、カルロス・アルカラス(スペイン)、キャスパー・ルード(ノルウェー)、チチパスの4人が既に資格を得ていた。

 15回目の出場権獲得は、アンドレ・アガシ(アメリカ)と並ぶ歴代4位の記録となる。この数字より多いのは18回のロジャー・フェデラー(スイス)、16回のジミー・コナーズ(アメリカ)とナダルしかいない。優勝回数では6勝を挙げているフェデラーがトップで、イワン・レンドル(アメリカ)、ピート・サンプラス(アメリカ)、ジョコビッチが5勝でそれに続いている。

 これに先立ち行われたダブルス決勝では、第2シードのニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(ともにクロアチア)がアドリアン・マナリノ/ファブリス・マルタン(ともにフランス)を6-4 6-2で下して今季5勝目を挙げた。

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写真◎Getty Images

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