「現役を終えた喜びのほうが大きい」準々決勝敗退で引退の添田豪 [第97回全日本テニス選手権]

一緒に戦ってきた選手たちに胴上げされる添田豪(GODAI)(写真◎BBM)


 公益財団法人日本テニス協会(JTA)が主催する「大正製薬リポビタン全日本テニス選手権97th」(JTT-4/賞金総額2762万円/本戦10月22~30日/東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/室内ハードコート)の本戦7日目に行われた男子シングルス準々決勝で伊藤竜馬(橋本総業ホールディングス)に6-7(4) 6-7(5)で敗れ、現役生活に終止符を打った添田豪(GODAI)が試合後に語った。

「セットポイントまでいったので、(そのセットを)取れたらとは思ったけど…。凄くいい試合ができて満足している。彼もキャリアの終盤でこの大会にかけている気持ちが強かったと思う。だからこそ競った試合で勝ちきれた。お互い、この試合に懸けているなというのは感じました」

 ここまでは重圧との戦いがあったと告白した。

「1、2回戦は勝たなきゃいけない試合で、負けたくない気持ちがいつも以上に強かった。今日は伊藤竜馬選手で、そういうプレッシャーが取れた中で、少しリラックスしてぶつかり合うことができた」

 相手のマッチポイントで何本も素晴らしいショットを決めて凌ぎ続けた。

「5ー6のサービスゲームではまだ終われなかったし、ダブルフォールトなど変な形で終わりたくなかった。バックハンドのストレートなど、自分の得意なショットをマッチポイントのいいところで出せた」

 引退を発表した時点から、ここまで戦い抜くのが大変だったという。

「ほっとしたというか、これでやっと終わったなと言う気持ち。引退を決めてからここまでが長かった。決めたとき、既に引退した気持ちになっていた。でも、ここに向かって練習しなきゃいけなかった。悔いがないように優勝を目指してやってきた。今は現役生活が終わって、どちらかというと喜びのほうが大きい」


準々決勝で敗退し、スタンドに手を振る添田豪(GODAI)(写真◎BBM)

 現役生活一番の思い出はATPランキングのトップ100入りを果たしたことだと語った。

「ずっと100位を目指して頑張ってきて、切れるまでは本当に苦しかった。切れないと自分のプロ生活はずっと悔いが残る、失敗だと思って追い込んだ。そこを切れたときの安堵感が凄く大きかった。プロになってよかった。自分に勝つことができて大きかった。そのほかにもデ杯、全日本選手権など、大きな試合の思い出はたくさんある。悔しい思いもたくさんある。いま振り返れば、最後はハッピーエンドで終わることができた。デ杯などでは苦しい立ち回りが多かったけど、そういった苦しいことを経験できたので、強くなった。そういった厳しい場面から逃げずにやっていく運命のようなテニス人生だったと思う」


添田豪(GODAI)のラストマッチを見届けた選手たち。左から奈良くるみ(安藤証券)、望月慎太郎(IMG Academy)、綿貫陽介(フリー)、内山靖崇(積水化学工業)、松井俊英(ASIA PARTNERSHIP FUND)、片山翔(伊予銀行)、江原弘泰(エキスパートパワーシズオカ)、関口周一(Team REC)、上杉海斗(江崎グリコ)、仁木拓人(三菱電機)(写真◎BBM)

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