一度もサービスゲームを落とさなかったオジェ アリアシムがルーネを下して3週連続優勝「本当にクールだ」 [スイス室内]

写真は3週連続優勝を飾ったフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「スイス室内」(ATP500/スイス・バーゼル/10月24~30日/賞金総額227万6105ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス決勝で、第3シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)がホルガ・ルーネ(デンマーク)を6-3 7-5で下して3週連続優勝を飾った。

 お互いに決勝まで一度もサービスゲームを落としていなかったが、第1セット第4ゲームでその均衡を破ったのはオジェ アリアシムのほうだった。オジェ アリアシムはそのワンブレークで第1セットを先取したあと、激しい競り合いとなった第2セット第11ゲームでふたたびブレークに成功して勝負を決めた。

「驚くべき1週間だった。またも決勝まで勝ち進み、週を通して一度もブレークされなかった。ここまで長い1年で長い連勝だけど、まだ終わってはいない。このまま続けていきたいけど、今この瞬間はこの感動を堪能している。本当に素晴らしいよ」と22歳のオジェ アリアシムは大会を振り返った。

 2022年にサービスゲームを落とさずATPツアーでタイトルを獲得したのは、ここ数大会絶好調のオジェ アリアシムが3人目となる。彼以外にはテイラー・フリッツ(アメリカ)が6月のイーストボーンで、ニック・キリオス(オーストラリア)は8月にワシントンDCでやってのけていた。

「チャンスがあればラリーの主導権を握ろうとしたけど、今日は非常に難しかった。彼は恐らく僕がここまで対戦したことのある選手の中で最高のサービスを打っていた。本当に正確で、時速200km以上のサービスがラインぎりぎりに入ってきた。厳しかったよ。僕はいくつかブレークポイントを手にしたけど、彼はエースを決めてきた。だからブレークできなかったことで自分を責めることはできない」とルーネは試合後にコメントした。

 同大会の優勝者リストに自分の名前が子供時代のアイドルだったロジャー・フェデラー(スイス)と並ぶことについて、オジェ アリアシムは「本当にクールだ」と興奮した様子を見せた。バーゼル出身のフェデラーは前回開催された2019年のチャンピオンで、故郷の地で10度栄冠に輝いた。

「今朝は彼のことを考えて、彼が10回も勝ったこの大会で優勝できたらどんなに素晴らしいだろうと思ったんだ。彼には遠く及ばないけど、この名誉ある大会で偉大なチャンピオンたちと一緒に自分の名前が刻まれるなんて本当に凄いことだよ」

 フィレンツェから始まった自己最長の連勝記録を「13」に伸ばしたオジェ アリアシムはイタリア・トリノで開催される世界トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」出場権を争うレースランキング(Race To Turin)でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を抜いて6位に浮上し、初出場の可能性を大きく広げた。

 ウインブルドン覇者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が10位ながら『グランドスラム優勝者は11月のパリ・マスターズ終了時にトップ20にいれば出場権を獲得できる』という特別条項により既に資格を得ているため7位に入る必要があるが、オジェ アリアシムは8位のフリッツに725ポイント差をつけている。

 今季に躍進した若手のひとりである19歳のルーネは決勝で敗れはしたが、大会後に更新される世界ランクでトップ20デビューを果たすことが確定した。

 これに先立ち行われたダブルス決勝ではイバン・ドディグ(クロアチア)/オースティン・クライチェク(アメリカ)がニコラ・マウ/エドゥアール・ロジェ バセラン(ともにフランス)とのノーシード対決を6-4 7-6(5)で制し、前週のナポリに続くコンビ3勝目を挙げた。


男子ダブルス優勝のイバン・ドディグ(クロアチア/左)とオースティン・クライチェク(アメリカ)(Getty Images)

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写真◎Getty Images

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