10人の世界ナンバーワン選手を指導した伝説的コーチ、ニック・ボロテリー氏が91歳で死去

写真は2017年マイアミ・オープンのキッズデーでイベントに参加したニック・ボロテリー氏(Getty Images)


 アンドレ・アガシ(アメリカ)、ジム・クーリエ(アメリカ)、モニカ・セレス(アメリカ)、マリア・シャラポワ(ロシア)などの育成に携わったコーチとして名高いニック・ボロテリー氏が12月4日、91歳でこの世を去った。

  1978年にボロテリー氏がアメリカ・フロリダ州ブラデントンに設立したニック・ボロテリー・テニス・アカデミー(NBTA=現IMGアカデミー)には、ほかにもセレナ&ビーナスのウイリアムズ姉妹(アメリカ)や日本の錦織圭(ユニクロ)など多くの選手が訪れ指導を仰いできた。10人の世界ナンバーワンプレーヤーを指導したコーチとしての功績を認められ、ボロテリー氏は2014年に国際テニス名誉の殿堂入りを果たした。

 元世界ランク2位で現在はインディアンウェルズの大会ディレクターを務めているトミー・ハース(ドイツ)は自身のインスタグラムを更新し、「あなたが注いでくれた時間、与えてくれた知識、献身、専門的能力、スキルを分かち合う気持ちに感謝します。あなたは私を指導し、夢を追いかける最高のチャンスを与えてくれました」とかつてアカデミーで指導を受けたボロテリー氏にメッセージを送った。

 また女子テニス元世界1位のクリス・エバート(アメリカ)は、「ニック、安らかに眠って下さい。素晴らしいコーチであるだけでなく、あなたは私と両親、兄弟たちにとても親切でした。私にとってはその事実が何よりも重要なことです。あなたは寛大な心を持ち、人生の喜びを知る人でした」とツイートした。

 ニューヨークでイタリア移民の両親の間に生まれたボロテリー氏はマイアミ大学中退して1956年にテニスコーチとなり、フロリダにアカデミーを設立したあとアガシのコーチとしてその名を世界に知られるようになった。非常に若い選手の育成に携わるとともに、マルチナ・ヒンギス(スイス)などプロを含む多くの選手たちに門戸を開いて実力向上の場を提供してきた。

 ボロテリー氏の教え子で彼の遺志を引き継ぎIMGアカデミーのテニス部門ディレクターを務めるジミー・アリアス(アメリカ)は、「ニックの影響がなければテニスは現在ある位置になかった」という言葉で追悼の意を表した。

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写真◎Getty Images

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